第12話~瞬閃~
リーナが先飛び出した理由は、
槍と剣ではリーチの関係上
どうしても不利になってしまう
だからこそ先手を取り
剣の有効範囲攻撃範囲に収めておきたいんだろう。
剣術三倍段という言葉もあるように
武器術においてリーチはそれほど重要なのだ。
もちろんここは異世界で、剣圧を飛ばす
ということも可能だが
あくまでこれは乱取り稽古。
寸止めの利かない技は出してこないだろう
「ていやああああ」
リーナは掛け声とともに
斬撃を繰り出す
突き主体のリーナにしては珍しい
初手の斬撃、その上結構手加減している
ようにも見える。
だがリーナ、少し健太をなめすぎだぞ
「あまいよリーナ!」
槍先を内から外に回転させ
リーナの剣を弾く。
元の世界での健太の槍術の腕はかなりものだと
俺でも思う、しかし異世界ではどうだろか?
「中々いい腕をしている、
君の実力なら本気で打ち込んでも
問題なさそうだ」
「そうだね僕はまだ余裕があるからね、
もっと本気で来てもらわなくちゃ練習にならないよ。」
「そうか・・・ではいかせてもらう!」
リーナが腰を落とし低い姿勢を取り、
そしてその体勢から力ずよく踏み込み
一気に間合いを詰める。
「くっ」
一瞬のうちに間合いを詰め、
健太に高速の突きをを叩き込む。
太刀打ちの部分で何とか
防御するもどうやら
反応するのがやっとと
言ったところか。
「どうした?さっきの威勢は!
この程度なのか!」
リーナの連撃は止まらない
突きと斬撃が次々打ち込まれていく。
健太は何とか防ぎきっているが
このままでは時間の問題だだろう
いつかは必ず防御が追い付かなくなる
のは目に見えて明らかだった。
「ていやあ!」
健太が一瞬のすきを突き
リーナの剣をはじく
そして健太は後ろに飛び
間合いを取った
あれほどの接近戦では
槍は不利だ間合いを取るのは正解だろう
「私の攻撃に耐えきるとは中々の
腕前ではないか。」
「ついていくのがやっとだよ・・・
さすがはユリスの鬼神だね
でも僕の攻撃はもっとすごいよ」
「ほう、では君の攻撃を見せてもらおう」
健太が体を正面にする
そして腰を落とし低い姿勢を取る
しかし、なんという低さだろうか、
体が地面に着きそうなほどの低さだ
「じゃあ・・・いくよ・・・瞬閃!!」
その声と同時に健太は一気に地面を蹴り、そして
消えた、いや、消えたわけではない
速すぎたのだ、あまりの速度に
目に映らなかったのだ
まさに名の通り【瞬閃】瞬きのうちに
リーナに突っ込む、まさに弾丸ごとく
槍と一つとなり突っ込んだ。
果たしてリーナは反応できるのか?
健太の瞬閃の速度まさに超人的だといえる。
この速度であれば常人ならば反応することさえままならない
が、リーナもまた超人。
「甘いぞ山田健太!!」
リーナはこの速度に反応し剣で
槍を止めたはずだった。
「甘いのははそっちだよ!!」
が、瞬閃止まらず。
全体重を乗せたこの瞬閃、
威力もまた絶大だ
(ばかな!なんだこの威力は!)
リーナは勢いに負けじりじりと後退する
「はあああああ!」
健太の掛け声とともに更に更に
威力が増していくように見えた。
「く?!」
リーナの剣が威力に耐えきれず
ついには砕かれた
そして健太の瞬閃はリーナの体と紙一重のところで止まった。
健太はギリギリの寸止めできるほどに
この大技をコントロールしていた。
「どうだった?僕の実力」
健太がリーナに手を差し出す
「想像以上だった、君のことを甘く見ていたよ。」
リーナが健太の手を掴み立ち上がる
「いつか決闘をしてみたいな
リーナの本気と戦ってみたいしね」
「そうだないずれ戦おう」
リーナと健太はお互いの力を認め合い
力強い握手を交わした
なんとも熱い展開だろうか
「リーナ、せっかくだし僕のことも
名前で呼んでくれないかな?
あ、ちなみに姓が山田で
名が健太だからね」
「うむ、分かった、しかし姓と名が
逆とは珍しいな、幼いころの友人
もそんな感じだったが
他には見かけたことがないな」
「へ~やっぱり珍しいだね」
しかし、姓と名が俺たちと同じ
順番の奴が他にいるとすれば
おそらく転移者だ
しかし幼いころと言っている以上
それはあり得ないか?
まあいいか
「リーナ、それよりそろそろ
向かったほうがいいんじゃないか?」
「ん?まだ時間には余裕があるが」
「だってさ剣折れてるというより
砕けてるじゃねーか、それじゃ戦えないだろ?」
俺が剣を指で差し指摘する
「そうだった・・・新品の剣だったのだがな・・・」
リーナ砕けた剣を見つめて落ち込む
そういえば俺との決闘で剣折れてたな、
二日間で2本の剣が折れたことになる。
なんか悪いことした気分だ
というか、確かに悪いことしたけど
「(なあ健太割り勘でリーナの剣買わないか?)」
俺が健太に耳打ちをする
「(わかった、なんかかわいそうだもんね)」
「なあリーナ俺たちが剣を買ってやるよ」
そういうとリーナは目を輝かせた
俺たちはリーナの剣を買うべく
武器屋に向かった
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