プロローグ完~異世界~

「じゃあ今僕たちが置かれている状況を整理しよう」


一人の青年が声を発する

ちなみにここは街の集会所のような場所である

俺たちと同じように不可解な現象に襲われたプレイヤー

30人ほどがさっきの青年に集められて今に至るわけで・・・


「まず僕らは黒い物体に吸収され意識を失った

そして目を覚ましたら現実の姿と同じ姿のなっていた

まずここはいいね?」

周りの人は相槌を打ったりしていた

他の人はそうなのか・・・俺たちは最初から現実の姿だったからな~

「それだけではなく感覚や感触がかなり現実に近く・・いや

現実と同じものなったそうだね?」

全員がうなずいていた、無論俺もうなずいた」

「君たちを集めたのはほかでもない協力してもらいたいんだ」

どうやら何かするみたいだ その青年が袋からごそごそと

なにかを取り出す

「みんなで調査をしてもらいたいんだ何が起きたのかを

しかし町の外は魔物も多い・・・そこで君たちには

回復薬をあげよう」

袋から取り出した回復薬を一人当たり5個手渡した

「町の周りをある程度調査したら再びこの集会場へ集まろう

その時に結論を出そうじゃないかこの世界が何なのかを」


俺たち含め全員が集会場を後にする

もしかしたらこの人も思っているんじゃないんだろか?

この世界は仮想ではなく現実の異世界だと・・・




◇◇◇◇





「た・・助けてくれえええええ----!!!!」


雪の町ユリスガーデンから400mほどになったところで

人のに悲鳴が聞こえる


「健太!助けにいくぞ!」

「言われなくてもそのつもりだよ!」


俺たちは悲鳴の聞こえたほうに全速力で向かった――-




悲鳴の聞こえたところにいたのは熊ぐらいの大きさの白い化け物だった

その鋭利な爪で今にもその男性に襲い掛かりそうだった

全速力で俺はその化け物に向かった

「うおおおおおおお!!!」

俺は黒刺刀を抜刀し、白い化け物に切りかかった

「くらえ!!!!!!!!」

俺の刀は風を切りながら的確に化け物の脇腹を切りつけた

「ぐあああああおおおお!!!」

化け物はうめき声をあげながら倒れる

そう・・倒れる消滅はせずに・・・

血を流しその場に倒れた


「ありがとうございました、なんとお礼申し上げたらよいのやら・・」

男性が俺に向かってぺこぺこと頭を下げた

「さすが俊太一撃とはやるな」

ここで新たに疑問が生まれる


(おかしいなぜ消えない・・?なぜ血を流す?やはりここはゲームの世界では

ないのだろうか?やはり現実なのか?異世界にでも来てしまったのか?)


異世界などと半信半疑で言ったものに過ぎなかったが

それが今確信に近いものに代わる


「しかし、一旦町の戻らないとな・・・・・

おい戻ろーぜ」

俺は健太に声をかけて助けたおっさんとともに

街に戻ることにした


◇◇◇◇





無事に街につきおっさんも送り届けることができた

別れ際におっさんが回復薬らしきものくれたので

人助けも悪くないなと改めて思いましたねぇ。

しかしながらそうも言ってられない

あることを確認してないことに気づいたからだ



(そうだメニュー画面が開けるはずだ)

俺はメニュー画面を開こうとするが

そもそもメニュー画面開くためのボタンすらない

俺は思わず頭を抱える


「どうした俊太?」


不思議そうに俺尋ねる

「これは現実だ・・異世界に来ちまったんだよ俺たちは・・・」

「まだ言ってんの?ありえないってそんなこと」

健太はやれやれとあきれたようにそんなことを言う

「じゃあさメニュー画面開いてみてくれよ」

「メニュー画面?なんで?まあいいけど」


健太はメニュー画面を開こうとボタンを探す

が、俺と同じくそのボタンは見つからない様子だった

「メニュー画面見つからないだろ?そもそも

開くためのボタンもない、ありえるか?そんなこと

ログアウトできないゲームがあるはずないだ」


「こんなのただのバグだろ」

健太はまたあきれたように言う

「じゃあさこれならどうだよ」

俺はそう言って健太の腕をつかみ

皮膚を思いっきり綱る

「痛たたたた・・痛いって!なにすんだよ!」

健太は腕を振りほどいた

「痛いだろ?ゲームがこんなにも痛いか?」

「そ・・・それは・・・」

少し後ろにたじろぐ


「さっきの化け物だってなぜ消えない?なぜ血を流す?」

俺はさらに畳みかける

「なぜこれほど寒い?なぜこれほど感触も感覚もリアルなんだ」

これは仮想現実などではないんだ

「俺たちは来てしまったんだよ・・・」

そう俺たちは来てしまった

「仮想現実にそっくりな異世界に!」

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