縁のしたで
ハツをむかえに来たのは、
「
「ああ、どがんしよ」
ハツがつぶやくと、
「いいよ、出ていこうよ。どうせ……」
「隠れとっても、
お婆がすぐ怒ったように言いましたので、ハツはしかたなしに立ちあがりました。着ものについた
「よし、よし、こっちさン来い」
ハツの
「
その口から、むうっと、水のような、
イーエ けっこう
くされた
ずっとまし ずっとましー
それがとても
「こン娘、鳩なンぞに、つまらん
ひと息つかないうちに、ハツは
やがて頭のうえで
縁のしたは暗く
うんざり声をあげながら、蛙がようよう鼻先へと
「ああ、もうね。この
ハツは少し、どきっとしてから、ほっとしました。それは、あとを追って入りこんできた山鳩でした。
二羽はこんな
「感謝はしたとて、ででっぽう」
「文句は
と
「いつだったか、ねずみの子が
「そういうこと。どうぞ食べなよ、おこぼれを」
蛙も「どうぞ、もらえば」と言いましたので、ハツは指を動かしてそれらを口に運びました。
野の実りの丸さ、ありがたさは、山の子どもならみんなが知っています。先ほどまで日の光に包まれていたそれが、いまどれほど味わい深かったことでしょう。
「あなたも食べんですか」
「全部お食べよ。わたしは
こんなやり取りをするハツと蛙との横で、山鳩はお
甘い汁の出る草をかみかみ、うとうとしたハツは、
けれどもハツを起こしたのは、そばで
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