応援コメント

第二章、その六」への応援コメント

  • ミステリー談義。
    確かにミステリーのトリックはその小説世界で成立していれば、矛盾があってもあまり糾弾されませんね。
    流石に小説で人の認識すべてが決まるとは思いませんが、自身に無い視点を雄弁に語る様は総じて見ていて面白いです。

    作者からの返信

     またしても公開してから早速の、ご丁寧な応援コメントとエピソードに応援♥、誠にありがとうございます!
    『人魚の声が聞こえない』の作者の881374です。

     本作は基本的にエンターテインメント作品ですので、前にご紹介した『白日夢』ほど論理性を優先しておりませんが、相変わらず着目点が鋭くいらっしゃって、またもやドキッとさせられました。

     実はこの『ミステリィのトリックはその小説世界で成立していれば、矛盾があってもあまり糾弾されない』というところこそ、かのミステリィ小説における最大の未解決定理である、『後期クイーン問題』の本質を突いていたりします。

     また『小説によって人の認識すべてが決まる』については、ユング心理学における全人類の集合知である『集合的無意識』にアクセスさせることによって、人の認識や記憶を変えることができることを暗に示唆しているとも見なせます。

     それというのも、後期クイーン問題を解決した真に理想的なミステリィ小説とは、単一の決まり切ったストーリーからなる単一の作品世界ではなく、無限の可能性を有する無数の世界の集合体──量子論で言うところの『多世界』であり、まさしくユング心理学で言うところの集合的無意識そのものとも言えるからです。

     とはいえ、実は本作『人魚の声が聞こえない』作成時においては、私自身後期クイーン問題や集合的無意識の存在自体を知らなかったのであり、許斐氏もあくまでも勢いに任せて持論を展開しているだけであって、本作においては第一にそのエンターテインメント性を楽しんでいただければ十分であり、もし更に突っ込んだ論理的SFミステリィ小説がご所望であられましたら、『白日夢』(ただし【ステージ4】のみ)のほうを御参照なされていただきたく存じます。