その三 呪灯留島

「行ってはいけない所ってヤツ? アタシの地元にあるよ」

 今日、話をしてくれる人は滝川たきかわ玲歌れいか。付近の学校に通う大学生だ。

「場所はどうでもいいから、どんなことがあったの?」

 そう聞くと、玲歌は、

「アタシの同級生が5人死んだ」

 ストレートに答えた。そんな事があったのなら、確かに行ってはいけない場所だな。

「でも、昼は行ってもいい…ていうか、具体的にどこからどこまでって決まってるわけじゃないんだけど。何て言うか…」

 どうやら説明しにくいようだ。しかしこちらは、彼女の話を聞くだけだ。氷威は上手く説明できるまで相槌を打った。

「見たら駄目。夜は駄目。でも日中は大丈夫? アレ。何だっけ…」

 これは待っていると日が暮れそうだ。氷威は仕方なく、

「何が起こったかを教えてよ。そこからこっちでまとめてみるから」

 と言った。すると玲歌も、

「わかった」

 と頷いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る