今日も今日とて降神の儀に励む
前回の、『インプット』と『アウトプット』。
意識高い系に倣って考えれば、良い作品をアウトプットしようと思えば、良いインプットは不可欠なんじゃないかというお話。
小説を書くためのインプットとしては小説を読むのが最良かと言えばそうとは限らず、映画や漫画やアニメなど他のジャンルを横断した方が得るものは多いと思うし、そればかりか意図的に取り入れるもののみならず、五感で受ける刺激の全てが小説を書くためのインプットとなり得ると考えている。
意図的でないものまで含めると、それこそ膨大なインプット量となる。それじゃ必要な情報が埋もれてしまって、取り出せないんじゃないか……なんて心配が、出てくかもしれない。
そこでインプットの効率を上げるため……と言うか、インプットを利用する際の効率を上げるために心がけている事がある。これが前回、説明しきれなかったこと。
インプット効率を上げるために、心がけていること……。
それは、『常に念頭に、
「次は何を書こうかな?」という漠然とした問でも良いし、「次回作のファンタシー、主人公は熱血タイプでいこうかな?」のような、より具体的な問だとなお良い。
人間の脳はけっこう優秀にできているようで、適切な問を設定することで、関係がありそうなインプットに勝手にタグ付けした上で記憶してくれる。
意識高い系の人たち風に言うのならば、ブレインがオートマチックにキュレートして、インフォメーションにタギングした上でメモライズしてくれる……といった感じか。
適切なタグが付いたインプットで頭をパンパンにした上でPCに向かい、エディタを立ち上げ、キーボードを叩き、あーでもないこーでもないと苦悩しながら思考を通す。その結果として、頭の中で回路がつながり、突如として書ける瞬間が訪れる。
この瞬間は俗に、『小説の神が舞い降りる』と表現するようで……ということは、頭に詰め込むインプットが『贄』で、エディタ前での苦悩は『降神の儀』って事になるのだろうか。
ワタシは、この『降神の儀』こそが、小説を書くにおいて一番大切なことではないかと考えている。小説の神が降臨するかどうかは、さして重要ではない。もちろん降りるに越したことはないが、そのような状態で書いた小説は時をおいて読み返せば筆が滑っている事が多く、執筆にあたっては強い自制が必要になる。
自らの生み出す小説と向き合い考え抜く事こそが、小説を書くということ。ワタシは、そのように考える。人称がどうとか、比喩がどうとか、テクニック的な話はどうでもいいと思っている。ただ、伝える努力だけは、怠らないでおきたい。
ところで今日の文章、けっこう筆が滑ってると思いません? ちょっと降神に成功して、語りたがりの神様が降りてきてしまったもので(苦笑)
小説作法めいたものは、あまり書かないでおこうと思っていたのだけれど……まぁ、書いちゃったものは仕方ないよね。
実績を伴わない方法論は、虚しく響くだけ……ダイエット法に詳しいデブには、なりたくないものです。(と言いながらやらかすのが、ワタシなのだけど)
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