筆名とかこの随筆の題名とか

 『名付ける』という行為が、苦手だ。

 いちど名付けてしまえばおいそれと変更する訳にはいかないため、慎重に慎重を重ねた検討が始まってしまい、一向に決まりやしない。


 小説を書けば、何かと『名付ける』行為に出くわす。

 主人公に名前を付け、脇役たちにも名前を付け、舞台設定によっては都市の名前やダンジョンの名前、ひいては世界の成り立ちや全宇宙を貫く摂理や法則にまで名前を付けなければならない事だってある。


 公開まで余裕がある作中名ならまだいい。仮称でエディタに打ち込んでおいて、あとから一括置換してしまえば良いのだから。いい時代になったものだね。


 困るのは筆名とか、公開が迫った作名。

 公開した後に「やっぱり変えます」なんてのは、格好が悪いばかりでなく、名前を憶えてくれた方々に申し訳がない。


 今の筆名を考えた時も、かなりの時間がかかった。

 親しみやすくて、響きが良くて、漢字が小洒落ていて、それでいて難しすぎなくて、そうだ中性的な感じもあると良いなぁ、物書きなんだからちょっとくらい威厳があった方が、いや厨二テイストも外せない要素じゃないか……って、決まるかい!


 紆余曲折を経て『からした火南』に決めた訳なんだけど、実はちょっとしたお遊びを盛り込んでみた。

 読みが『からしたかなん』、続けて読むと『辛子高菜ん』になるってお遊び。うーん、思いついた時は世紀の大発見レベルの電球が頭の上に灯ったのだけれど、こうやって説明しちゃうとなんだか寒々としたものを感じるな。


 『辛子高菜』は解った。でも、最後の『ん』は何なんだ……って話なんだけど、これはまぁ、蛇足ですわな。完璧な形を追求するよりも、余計なものがついてたり、少し足りなかったりする方が、味わいが深いんだよ……知らんけど。


 この随筆のね、『たかなめし』ってのは、辛子高菜を使った熊本の郷土料理。高菜つながりで名付けてみました。食べたことあります? 高菜めし。

 簡単にできるから、作ってみると良いですよ。美味しいから。


 レシピ載せときますね。(なぜ!?)


■材料(2人分)

高菜の漬物……60g

熱いご飯……茶碗2杯

ごま油……大さじ2

ごま……適量

錦糸卵……卵2個分(炒り卵でも美味しいですよ)

紅生姜……適量


■作り方

1,高菜の漬物を軽く絞り、みじん切りにする。

2,フライパンに胡麻油をひき、高菜の漬物を炒める。

3,炒めた高菜、ご飯、ごまを、ボウルで混ぜ合わせる。

4,皿に丸く盛り付け、錦糸卵と紅生姜を乗せれば完成

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