第25話 怪盗が来るー3

 モノレールは止まり目的地がある区域、大勢の人たちとショッピング帰りの人もいれば今からショッピングに行く人もいる。

 その中には展示中の作品を観に行く人もいるだろう。その中の4人は俺たち探偵部だ。


「それで、その展示される場所はどこなのかしら?」


 黒子の一言で俺たちは足を止める。

 そして顔を合わせる。


「俺は知らないぞ」

「私も皆さんが知っているかと思い着いてきたので」

「あたしが知るわけないでしょ」

「いや、瑠奈は知ってろよ!」

「なんで!あたしは今回と関係ないでしょ!」

「それでもお前は――「さっきから何の話しをしているのでしょうか?」」


 俺と瑠奈は言いあいを止め、顔をシャロに向ける。


「ちょっと来なさい!」


 黒子に耳を引っ張られ皆から離れる。


「あなた何をしているのかしら、何を言おうとしたのかしら」

「悪いつい……」


 今度は俺と黒子が小さく会話を始める。

 シャロには瑠奈が怪盗をおこなっている事は内緒、知られてはいけない。


「あの二人は何を話しているのでしょうか?」

「きっとあたしの事を話しているんだよ」

「瑠奈さんの事?」

「それは、あたしが世間を騒がす――「「ちょっと待った!!」」」


 俺と黒子はバカな瑠奈が何か口ばしするのを止めに走る。


「おい瑠奈!今何を言おうとした!」

「何って誠君と黒ちゃんが話している事をシャロちゃんに説明を」

「そのせいで俺が黒子に怒られていたんだぞ!」

「そっか、それはごめんね。ありがとう」

「はあー、まあいい。この話しはお終わりだ」

「はーい」


 瑠奈は上機嫌に手を上げる。


「また私をのけもの扱いですか」

「のけものって俺はお前には一度もしたことないぞ」

「そうですか……それにしては秘密があるようですが」

「確かに秘密はあるが、それはお前のためだ」

「そうですか。わかりました」


 シャロは一歩進み、振り返る。


「今はそうしておきます。誰にも秘密はありますから」


 シャロは笑みを少しみせた。

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