第21話 これからの住まい

 ファミレスで食事を終え帰り道、黒子が来ることを思い出し明日準備することに話しが終わり、それぞれ部屋で明日に向けて寝た。


 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


 俺は回想をやめ、現在進行形の世界に戻ってくる。

 今思えば明加がリアカーで運んでいた物はポン菓子を作る機械だったのか。


「それで黒子はなぜいきなりこっち来ようと」

「それはやぱっり一人だけ仲間外れは良くないからよ」

「仲間外れ、ね」


 いつも部室で一緒にいて、学校も同じ、クラスも一緒なのに。

 これまでは住む場所が違っただけ。


「それでこれから何しようか?」

「何とは、まだ何かするのかしら瑠奈」

「やっぱり引越し祝いをしたいからね」

「そうですね。引越し祝いは大切ですから。黒子さんは何したいですか?」

「まったく、瑠奈もシャロも大げさな」

「自分はゲーム大会をしたい」

「明加まで・・・・・・。誠、ゲームを持ってきなさい」

「なんで俺が命令されるんだよ」

「命令ではなく、お願い」


 にこやかに笑みを見せる黒子。これは貸しだ。いつか返してもらう。

 俺は自室に置いてあるテレビゲームをリビングに持ってくる。


「ゲームは皆でおこなうパーティーゲームでいいだろう」


 最大6人までゲームができるゲームだ。

 最初はシャロと瑠奈、黒子、明加でゲームをする、順位制にして最下位の者が交代でゲームするルールにした。

 ゲームが始まりランダムで競技が決まる。

 最初は風船割りゲーム。キャラクターの持っているこん棒で自分の陣地の風船を誰よりも早く割るゲーム。もちらん他者の妨害もあり。


「負けません!」

「こっちこそ!」

「楽しそうね」

「負けない」


 シャロと瑠奈はこのゲームを何回も遊んでいる。明加は数回しかゲームをやらない。この場で不利なのは、黒子だ。


『ゲームスタート!』


 競技開始の合図と共に始まる。シャロと瑠奈は黙々と風船を割っていく。明加はコントローラーの扱いが分かっていないのかゆっくり割っていく。


「明加、十字で移動してAを押せば風船は割れるから」

「うん。わかった」

「あー、誠さんずるいです!私にも扱い方教えてください!」

「いやお前は何度も遊んでいるだろ」

「それでも、ずるいですー!」

「シャロちゃんよそ見はいけないよ」

「ああ!瑠奈さん待ってください!」


 俺が明加に操作を教えているとなぜか不機嫌になるシャロ。その隙に瑠奈は風船を割っていく。


「それで黒子は・・・・・・え」


 黒子は風船ではなくエリアーの壁をずっとこん棒で叩いている。

 少しずつ場所を変えながら何かを探すように。


「・・・・・・見つけた」


 黒子のキャラクターが叩いた壁からアイテムが出てくる。

 隠しアイテムだ!

 そのアイテムは大型爆弾。爆発は強烈で爆風でダメージを負うこともある。しかし、なぜ黒子は隠しアイテムを知っているんだ。


「これで、終わり」


 黒子は自分の陣地の真ん中に強烈爆弾を置き爆発させた。

 爆弾は風船を次から次へと割っていった。


『WIN くろこ』


 画面には勝者の名前が出る。

 爆弾で全ての風船を割るとは、さすが黒子。

 順位など関係なく黒子の一人勝ち。


「なんですか、あれ」

「あーあー、負けた」

「なるほど、だいたいわかった」


 負けた面々が呟き、「もう一度勝負!」っということになり、シャロ、瑠奈、黒子、明加はゲームをおこなうが全競技の勝者は黒子だった。


「黒子ってゲーム強いんだな」

「当たり前でしょ。なんだって一位になる存在なんだから」


 黒子は顔は敗北を知らない顔だった。

 この寮はまたすごい者が入居してきたもんだ。



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