第15話 バスで逃亡
サイレンがだんだんと大きくなり後ろを向くと白黒の車がバスに近づいてくる。
『前のバス停まりなさい!右に寄せなさい!』
お得意のスピーカーから威嚇を言ってくる。
「おい警察!お前が通報したのか!」
「してない。このバスがずっとバス停無視して走っているから警察が来たんだろう」
「そんなの信じられるか!」
「いえ、警察が言っているのは正しい。今さっき指名された者は後ろの席に行ってもらいたい。その他の者は前の席に移動してもらっても」
狭いバスの中で大移動が始まる。
俺も前に移動しようと「あなたは後ろの席にいなさい」と黒子に言われ上げた腰を下ろす。
後ろの席に来たのは白いシャツの20代の男。青い服を着た30代の男。黄色い鞄を持った25代の女。緑の帽子を被った25代の男。黒縁の眼鏡をかけた20代の女。
「さて、運転手さん後ろのパトカーをまいて」
「そんなことできるわけないでしょ!」
黒子の無茶に怒りに急なブレーキがかかり皆の体制が崩れる。扉が開き乗客が一斉に降りる。
「どこにいくの?あなたたち五人はこのままでいてもらうわ。誠、運転席に行って」
言われるまま運転席に行くと運転手が下りようとしていた。
「ちょっと、運転手がいなくなったら誰が運転するんですか!」
運転手の服を掴み放さない。絶対に放さない。そんなことしたらバスの運転をするのは俺になるんだから。
「誠、扉を閉めてバスを走らせて」
ほらそうなるんだ。
運転手を黒子に渡して俺は運転席に座る。
「そんなことしていいと思っているのか」
「俺は脅されているだけだからおまわりさん!」
警察に誤りながら電話をかける。
「今すぐバスの扉を閉めるにはどうしたらいいか調べて欲しい?おお、これか」
電話で説明を受けながら扉を閉める。
「ああ、わかった。ありがとうな」
バスを走らせる方法も聞いてバスを走らせる。急発進でバスの乗った乗客は体制を崩す。
「誠!しっかり走らせなさい!」
無茶言うな。バスを走らせるなんて生まれて初めてだぞ。
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