第14話 乗客指名

 自信満々に言う、黒子。


「それじゃお前に依頼すれば妹を殺した奴を見つけられるのか!」


 男(犯人)は黒子に大声をあげる。

 そして黒子は笑う。


「ええ、依頼すれば」

「わかった依頼する。妹を殺した奴を見つけてくれ」

「その依頼、受理します」


 あーあ、依頼受けちゃった。


「それでどうするんだい。依頼を受けてもこの状況を変えることができないのでは?」

「警察は本当にバカなの?」


 また警察をバカ呼ばわりして、また怒られるぞ。


「警察をバカにするな!この状況は最悪なままだぞ!」

「バカな警察。彼がなぜこのバスに乗ってきたのか。なぜいまだに要求をしないのか」

「それがなんだ。要求は彼の妹を殺した者を探すことだろ」

「確かにそうだけど、さてなぜこのバスに乗ってきたのかはわかる誠」

「俺かよ……金の要求がない時点で目的があってこのバスに乗ってきた」

「そう。彼は目的があってこのバスに乗った、そうでしょ?」


 黒子は警察をバカにして、俺に質問して、男(犯人)に聞き返す。


「ああ、妹はこの時間のバスに乗って出かけることが多かった。それでこのバスに一緒に乗る乗客五人を突き止めたんだ!」

「そういうこと。無能な警察より彼のほうが頑張っているわね」


 どれだけ警察をけなすんだよ。


「それでその一緒に乗る乗客は誰」

「白いシャツのアイツと青い服のアイツ。それに鞄を持ったアイツとその隣の奴。最後にアイツ」


 刃物は右手、開いている手で指をさす男。


「なんの根拠を持って言うんだ!」


 指をさされた者たちは口々に言う。


「まあ、それは妹さんからのメールの謎を解いてからでも遅くないわ」


 黒子は氏名された乗客に一言言うとサイレンが聞こえてくる。

 後ろを見るとサイレンがだんだんと大きくなり白黒の車がバスに近づいてくる。


『前のバス停まりなさい!右に寄せなさい!』

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