第13話 ここで警察が出てくる
「……警察」
周りの乗客が誰かの一言でざわめく。
隣の黒子、言葉をはなった本人だ。
黒子だからこそ言えたことで、黒子だからこそ他とは違った。
「あなたは警察。そのたたずまい、筋肉のつけ方からして何かしらのスポーツをしていることがわかる。そして長年使い続けてきた靴と上着、違う?」
「よくお分かりで」
32歳前後の警察官はこっちを見て笑った。
「警察がなぜここにいるんだ!下手な事したらどうなるかわかっているな!」
「心配するな、俺は非番だからここにいる。俺がすることは君と話しをすることだ」
「警察と話しをすることはない!」
「落ち着け、まず話しを聞かせてくれ。なぜこのようなことを」
「警察が解決できなかったから俺がやるんだ!」
「やるって何をだ?警察がなにができなかった」
「警察は俺の妹の事件を自殺と片付けやがって、本当は殺されたのに!」
「殺された?!証拠はあるのか」
「証拠は妹からの連絡だ!おい、そこの奴このスマホを警察に」
近くにいた女性は頷き、男(犯人)からのスマホを警察に渡す。
スマホを見た警察はため息を吐く。
「思い出した。半年前大学生の女性が自宅で亡くなる事件があった。首を吊ったことで自殺と判断した」
「だったらその妹からのメールはなんだ!」
「こんなメールで何がわかるんだ。確かに助けてと書いてあるけどこの意味がわからない文章で何がわかる」
警察が男(犯人)を見て言う。
「日本の警察は優秀と言うけどこれではっきりわかった」
「お、おい黒子」
「日本の警察が何も解決できないのにさっさと捜査を終わらせて何が優秀だか」
俺をどかして歩きだす。
「君は警察を馬鹿にするのか」
「馬鹿にはしてない。見下している」
同じことだろ。なんでコイツは。
「いい事を聞かせてあげる。私は探偵、その事件解決してあげる」
「なに言っている。探偵ってなんだ……」
黒子が不敵な笑みを見せる。
「探偵は探偵でも犯罪専門だけど」
黒井黒子とはこういう者である。
なぜならば、犯罪の親玉を目指す頭が少し痛い少女だからだ。
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