第11話 泥棒の回答

「それで、犯行の手口はわかったのか」

「え、まー君わからないの?」


 なんだこいつの人をバカにした顔は。

 部室に案内されて時間として15分しかたってないぞ。


「この事件は意外にも簡単すぎたよ」

「それはやっぱりバカにしている」

「バカにはしてないよ。ただ、この事件を犯した人はバカだなって思うけど」


 俺は頭の上にはてなが浮かんだ。


「さてマネージャー事件の関係者をここに全員集めてもらっても」


 推理小説でよく聞く台詞だ。


「え、関係者と言われても」

「いや、関係者だよ関係者。この野球部が関係者でしょ」

「あ、そうですか。でも、今部活中なので終わってからでもいいですか」

「あ、うん。部活大変だもんね。大切だもんね。終わってからでいいよ」

「わかりました。部活が終わったらここに全員集めて来ます」

「うん。よろしく……」


 去るマネージャーを見送る瑠奈の悲しい背中。

 格好をつけてみたが謎を解決したことが少ない瑠奈にとって恥ずかしい場面になってしまった。

 いつもこんなことをするのはシャロの仕事だもんな。

 それから、野球部が終わる放課後まで俺と瑠奈は時間をなんとなく潰した。


 + + + + + + + + + + +


「さて、全員そろったようなのでさっそく事件を解決しましょう」


 野球部部室前に集まった関係者たちプラス、新聞部部長。

「いやー事件の匂いをかぎつけてにゃ」と言い、ちゃっかり紛れていた。


 パンパン


 瑠奈は手を叩き注目を集め。


「この事件ははっきりいって単純。犯人はあなた!」


 瑠奈が指を指した人物は、


「野球部コーチ、あなたですね」


 自信満々の瑠奈と困惑する関係者たち。


「それで、犯行動機は」

「さあ?」


 俺の問にどうでもいいよって顔を向けてくる。


「さあってなんだよ。よくそれで犯人にしたな」

「だって、コーチはこの部屋の鍵をいつでも開けれる」

「それなら野球部全員そうだ」

「ホームランボールの場所もしっている」

「それも野球部全員知っている」

「決定的はホームランボールが盗まれても慌てない人物だから」

「慌てないって、どういう意味だ」


 全員の注目が瑠奈に集まる。


「ボールが盗まれたとなれば普通は探すもんでしょ、それがコーチが教えたチームが始めて打ったホームランボールなら」


 瑠奈は野球部部員に向かう。


「確かに。あのボールはコーチが始めて指導を教えた代の部員が打ったホームランボール」


「俺たちは無くなったと聞いて探そうとしたがコーチはは拒否した」


 野球部の目線はコーチに向かう。


「ボールはコーチが持っているよね。隠すなら木は森の中ならボールはボールの中だよね」


 瑠奈の笑顔に負けたのか、「そのとおりだ」と答えるコーチ。

 コーチは話し始めた。もう一度ホームランのボールを届ける子たちの顔が見たかった。だからホームランボールを隠せばやる気になってくれるだろうと。

 泣きながら謝罪するコーチに泣きながら駆け寄る野球部員。

 その後ボールは瑠奈が推理どうりにボールかごからでてきた。





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