第8話 猫の道案内
午前の授業が終わり昼休み。
「さて、お目当ての場所に行きますか!」
昼休みになるや元気になる怪盗少女。
「午前の授業ほとんど寝ていた奴がなに言ってるんだ」
「それじゃ、一緒に来ない?」
「行きます!」
今度は俺が元気に返事する。
そうしなければ、いけない気がした。
「あれ、どこか行くのですか?」
「ああ、今から新聞部へ」
「新聞部?ああ、朝の壁新聞の事ですか」
「それでちょっとな」
「そうでしたか、私もって言いたいところですが」
シャロは目線を泳がす。
あー、そう言うことか。先生にお呼ばれか。
シャロは職員室へ、俺たちは新聞部へ。
「それで新聞部はどこにあるんだ」
「え、誠君が知っているかと思ってついてきたのに」
「新聞部って言うから
部室棟まで来て迷った。
どこだよ、部室棟にもないんじゃん新聞部。
話しを聞こうにも部がわからないんと話しも聞けない。部員なんてそもそも知らないし。
「新聞部探しているの?」
「「え!?」」
「いいよ、案内するよ」
「はあー」
言われるまま後を着いていく。
新聞部の場所がわからないし着いていくしかない。
「ねえねえ誠君」
袖を引っ張られ振り向くと瑠奈が耳打ちしてくる。
「あの髪は作り物かな?」
「髪?いやあれは」
どっちだ?
あれは猫耳のように髪がなっているのはどうなっているんだ。作り物とは思えないし、地毛?
「なに?三毛の顔に何かついている」
「いえ、別に」
「その髪はどうなっているの?」
「おい!言いにくいことだと思うので気にしないでください」
「ああ、この髪は別にたいしたことじゃないよ。生まれつきのくせ毛だから」
「そうでしたか、くせ毛」
「なーんだ」
くせ毛か、なんか気まずいことを聞いてしまったと思ったけど良かった。
それにしてもなんで瑠奈は悔しがるんだ。
「さあ、長い道のりの中良く来たね」
一つの部屋の前に着いた。
そこは新聞部の部室だった。
「さあさあ、部屋の中へ」
「え、だけど」
「いいからいいから」
部屋の中に無理やり通される。いいのか?
そして彼女は部屋の奥、窓側に置かれた立派な椅子に座った。
「さて、それでなにか用事で」
「新聞部へには今朝の壁新聞について」
「なるほど、では話しを聞こう」
「え、いやしかし」
「何が聞きたい、この新聞部部長、三毛 猫子《みけ ねこ》から」
「え、えー!新聞部部長!」
「にゃー」
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