宇宙より本屋

第2話 唐突な出来事

 俺の日課は新作の漫画、小説が出たら学校の帰りに本屋に行くことである。

 今日は俺の好きな作家の新作が発売日。


「なのでそんなにわくわくしているのですね」


 隣を歩く赤髪少女、名前を家内かないシャロ。彼女いわくシャーロック・ホームズの子孫だと言う。

 あることからシャロと出会い、今は一緒に住んでいる。

 今このハーレムやろうっと思った者、なにがハーレムだ。一緒に住むって言っても学生寮のことだ。部屋は個別、お風呂、キッチンと広間が共同、トイレだけが個別のただの寮だ。ハーレムにもなにもなれない。


「そうだ今日は本屋デートですね」

「なんでもデートにするな」

「私にとっては誠さんと一緒に出かけることがデートですから」

「なぜ胸を張る」


 本当は胸を張ってなく、顔はにやけている。

 二人で本屋に到着。

 本屋に入るなり二人で来たのに個別で行動する。


「あった、これか」


 目当ての本を手に入れることができた。あとはレジに持っていくだけだ。


「シャロは何か買うのか?」


 本屋の中にいるだろうシャロを探す。

 この本屋は3階建てで1階は小説コーナー、2階は辞書や図鑑など勉学コーナー、3階は男女が好きな漫画コーナー。

 小説コーナーにはいない。


「それじゃ3階か」


 エスカレーターで3階へ……、漫画コーナーいると思ったがいなかった。あの地球の娯楽は最高って騒いでる宇宙人が漫画コーナーにいないとなるとどこにいるんだ。

 まさかと思い2階へ降りる。

 図鑑コーナーにいた。


「なにやっているんだ」

「うわっ!驚いた、しー」


 なにやら、棚に隠れる。


「どうした、コソコソして」

「今万引きを見つけて後をつけているの」


 シャロがそう言い、指をさす。

 その先には制服姿の男性が立っていた。


「あの男子生徒か?」

「はい。かばんに図鑑を入れた瞬間を目撃しました」

「なるほど、万引きね」


 万引きが本当なら確かに問題だ。なぜならそれは……。


「俺たちの学校の者だぞ」



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