この世界は謎でできている

二又 正偽

第1話 その日のこの日

 晴れの日差しが部屋に差し込むこの時間は俺にとっての指定席は少し暑い。

 チラッと他のメンバーを見ると机に積まれた漫画の山を読み進めている赤髪少女。

 携帯ゲームをおこなう黄ん髪少女、パソコンに向かう黒髪少女。

 そう、この部屋のなかには男は俺一人に美少女三人とまさにハーレム状態。


「やっぱり地球の娯楽は面白い!」

 赤髪宇宙人は地球産日本製の娯楽に満足している。


「なんで倒せないの!こうなったら未来改造してあげる!」

 黄ん髪未来人は現代ゲームに不満を持ち、ゲーム機を改造し始める。


「やっぱり画面越しだと相手の動きを読むのは難しいわね」

 黒髪超能力者はあんなこと言いながらも対戦相手を負かしている。


 俺はもう一度部屋の中を見回してため息を吐く。

 さっき言ったハーレムは撤回する。ハーレムではなく猛獣の檻に閉じ込められたエサだ。いつ鋭い爪がこっちに向かってくるか恐怖だ。


「あ、そうだ誠さんデートしよう」


「怪盗やろうよ誠君!」


「誠事件はまだ起きないの」


 爪がこっちを向かった。

 早くも捕らわれた。三人がこっちに歩み寄る。


「デートもしないし、怪盗もこの前やった、事件の依頼は今日はない」

「ダメかー」「えー」「つまらない」


 不満そうな顔をするが元が整っているから絵になる。


「そもそもこの部活動をしっかりしろよ」

「今日の探偵部は休み」

「そもそも依頼もなければ」

「ここに来る人を見かけたことがない」


部活棟の一番端の部屋にこの前できた部に来る人などいないだろう。


コンッコンッ


扉を叩く音がしたと思うと扉を動いた。

「依頼をしたのいのですが」


「いらっしゃい、この探偵部は」


「どんな難事件も」


「どんな泥棒業でも」


「どんな殺人事件でも」


「「「「解決してみせます」」」」



これが依頼第1号。

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