Arroganz
Arroganz
著者:AOchobire 様
作品url(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885250663)
タグが不穏です。
近親相姦で淫魔で純文学。
マジか……。純文学か……。
娯楽小説専としては戦々恐々とするところですが、いってみましょう。
いきなり感想じゃないのですが、改行後はスペース開けてほしいです。行じゃなくて、頭1個ね。作文ルールで。一般的なweb小説とは異なり、空白行が少ないため、余計に目立ちます。
描写は精緻で美しいです。はかなげな世界観が良く伝わってきました。吸血鬼たちの街が崩壊の危機にある、という状況なのですが、物語的にはそれは二の次で、あくまでも主人公たる兄と妹に焦点が絞られています。
設定としては、複雑な生態系(吸血鬼、淫魔、そして吸血鬼に必要不可欠な花)と発音により奇怪な事故を起こす古代言語が好きです。
古代言語は日常的に話すものではなく、魔法の呪文だったのかなと思ったり。ヒロインも「凍気と会話する言葉」との仮説を立てています。
肝心の吸血鬼ですが。
物語上、あまり必要がないせいか、生態についてはあまり触れられません。血液を糧に生きるが、普通の料理も食べられること。数百年生きること。など。どうも、日中に起きて夜に眠っているような描写も見受けられました。見間違いだったらごめんなさい。
あとは身体について。序盤で妹が「病身」であると明かされ「吸血鬼も病気になる設定か」と思ったのですが、妹の特異体質からくるものと判明。しかしその後脈をはかったり、回想で「病弱」と言われるキャラクターが登場するなどの場面があり、吸血鬼という「生き物」のようです。
疑問点として。
終盤「吸血種は、一度嚥下すれば供血者の変更は効かず、他から血を得れば死ぬ」という説明がされますが、それ以前に人間の供血者を亡くし、吸血鬼が悲しむシーンがあります。供血者が死亡すれば、次の供血者を選んでもいい、という解釈で合っているのでしょうか。でないと数百年を生きることなど、吸血鬼同士で血を吸わない限りは不可能です。
他にも細かいところで、作者の「書きたいシーン」に引きずられて設定がもろくなっている感じを受けました。
蛇足。
最新話前後編には(R18)とついています。
作品概要にも「一部過激な性描写が含まれます」との注意書きはありますが、カクヨムではR15までの投稿しかできないはずです。内容も性的な描写がかなり長く、規約的にどうなんだろうと不安になります。
どうなんでしょう?
今晩はこれにて。
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