第11話謎のサイレン
何もない真っ白な壁を見ている。
流行のピンクのドレスはボロボロになり、今や布を張り合わせたワンピースを着た少女が手足を鎖につながれて座っている。
ここは帝国の本部バッキンガム、そこの地下にはマナロイドの研究所があった。
少女はとある男の子と一緒に街を散策した、彼らは自分に名前を付けてくれた。
人間の名前。ナナ
『普通の人間が見る夢という奴かな?』
ナナは心の中で呟く。
とても楽しい夢。
でももういつも見ていた白い壁が目の前にあり、現実を見せてくる。
その時だった。
『ファーンファーン』とけたたましい音が宮殿の地下に鳴り響いた。
何事が起きたのか彼女にはもうどうでもいい事であった。
ナナは何故かウメコンブを思いだしその酸っぱさを強調するように眉ねをよせた。
「なんだ、なんだ」
タッタと兵隊達があわててあたりを捜索しはじめる。
「変な男の子が二丁の火器を持って侵入してらしい」
ナナは変な男の子でピンときた。
もしかして……胸がドキドキする。
マナを蓄積する時の胸の熱さではない。
ナナはただひとつある小さな窓を眺めた。
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