第2話落ちてきた少女
ドクター・ジェシカの部屋はいろいろな機械、マナ、鉱石、食べかけの食事(それによりネズミがフィーバーしている)それが彼女の家兼研究室だった。
戸棚の上に置いてあるのクマのぬいぐるみには半分がもふもふ半分が鉄板がはられていた。
(これぞもふもふとガチガチのアベックであった)
壁のポスターには様々なスチームボットの白黒の写真が貼られている。
(やはり一番は五三型じゃの)
いつも服装は汚れている、腰にはホルスターがさげてあり、ロッカトレンチやドライバーなどがぶら下がっている。
ズボンは履いていない、パンツなら履いているが彼女はこのパンツをズボンと言いはる。
そのパンツ、もといズボンが丸見えのまま大きな機械に腹でぶら下がりカチカチいじくり回している。
ギッギッと背中から煙突をつけたメイド服姿の女性、人型スチームロイドのマリアが湯飲みに入ったウメコブチャを盆に乗せながらジェシカの元にやってきた。
「おお、ちょうど喉が乾いていた所じゃ、すまぬのぅ」
ジェシカは十四歳の女の子にしては渋い物を好む。下手すると渋柿より渋いかもしれない。
「それからギアさんがお越しになっています」
ジェシカはウメコブチャを飲みながら話す。
「ブチョブルブブブ『まったくいったいなんじゃ? まぁよいここに呼んできてくれぬか?』」
長年一緒に住んでいて家族のようなスチームロイドのマリアはコクリとうなづき、戻っていき、トトトと足音をならしながら帰ってきた、後ろにはジェシカより年上のどこかまの抜けた顔の少年が立っていた。
少年がハンチング帽子を脱いでふんっと腰に手を当てた。
「相変わらず散らかってますね」
年下パンツじゃないから大丈夫少女に敬語を使うのは、彼がジェシカの弟子だからである、名前はギア。
「わっちの弟子のくせになんじゃその言いぐさは」
ウメコブチャの入った湯飲みを小さな丸テーブルにおきながら顔を上げた彼女を見てみるとギアは驚いて顔を背けた。
彼女のシャツが大量の汗により透けていた。
「スチームロイドのメイドがいるのにどうして散らかるんですか?」
顔を真っ赤にして(薄暗いのでジェシカには気づかれなかった)ギアが尋ねた。
ジェシカは透けたシャツの胸を突き出し宣言した。
「マリアはメイドじゃがわっちのお友だちじゃ、部屋をいじくり回されるのが嫌いなわっちの事をよく分かっておるんじゃよ。ところで何かようか?」
ギアは思いだしたように革のポーチから新聞の切れ端を取り出した。
「この記事を見せに来たんですよ、師匠が見たらよだれを垂らしそうな記事ですよ」
ぴっとふんだくるようにその新聞をギアから取り上げるとジェシカは目をらんらんと輝かせた。
俗世を捨ててパンツじゃないズボンをはいた機械好き少女はあるマナロイドが逃げ出した記事を読み、その白黒の写真の少女あんな所やズボンの中を探りたいと変態発言した、そして空からふってこぬかのぅ、っと非現実的な事を言ったが(コトダマみたいなものか)物凄い勢いでなにかが落ちてきた先程の女の子だ!なんで少女って空から落ちてくるのか不思議だね。
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