血液型占い

「龍堵って血液型、何型?」

 大学1年の終わり頃、阿婆擦れホムラが俺に聞いてきた。

「C型」

「真面目に答えてくれない?」

「…O型だ」

 何か言われるのかと思ったら、カゲトにも同じ質問をする。

「俺? B型だけど?」

「俺はAB型だぜ!」

 聞かれてないのにランドウが答える。

「じゃあ、私と相性がいいのは龍堵だけね。な~んだがっかり。カゲトはマイペースなの…」

 それは俺のセリフだ。

「じゃあ、お前は何型なんだ?」

 俺が聞くとホムラは、

「誰が教えるもんですか。ベー!」

 舌を出して馬鹿にしてきやがったので、俺はホムラを軽く叩いた。


 知っての通り、血液型には4通りある。だが、それで性格も相性も決まらない。

 血液型占いには、根拠は一切ない。

 だって考えてみてよ? その理論が正しいなら、地球上に人間は70億人はいるのに、性格が4通りしか存在しないことになってしまう。ゴリラはB型しかいないらしいから、ゴリラについてはみんな同じ性格。気持ち悪くて吐きそうだ。断っておくが、カゲトがゴリラという訳ではないぞ。

 しかも血液型占いは英語で言うと一説には「ジャパニーズ・ブラッドタイプ・セオリー」。訳そうものなら日本血液型学説か。日本人しか信じてない!

 そうそう、海外でホムラの様な質問は御法度である。何故ならヨーロッパをはじめとする外国人は、ある血統が他の血統よりも優れているという考え方を極端に嫌うんだ。第二次世界大戦時のヒトラーによるホロコーストが原因と思われる。もし気になる外人がいて血液型占いしたいなら、怪しまれないよう医者になって聞くしかないな。

 血液型が何で四通りあるのかと言われると俺にもわからん…。進化の過程か、神が決めたのか…。

 教科書によれば「A型の場合、赤血球にA抗原が、血漿という液体成分にB抗体が存在する」とのこと。B型の場合はこれとは逆だ。B抗体はB抗原に反応するから、A型の血液の人にB型の血を入れると固まる。逆の場合も同じ。

 だから輸血の時は、血液型を間違えちゃいけない。昔はこれがわからず輸血中に死んでしまったことがあるそう。

 ちなみに、AB型は両方の抗原があるが抗体は存在しない。O型は逆で抗体はあるが抗原がない。

 何でO型っていうか、気にならない? 最初はCだったらしいけど、後からドイツ語で「ない」を意味する単語の頭文字になったって説が有力だよ。

 実は、血液型は変わることがある。

 白血病の患者さんは、骨髄をくれたドナーと同じ血液型になることがあるそうだ。骨髄は血を作る器官なんだけど、そこが置き換わると造る血のタイプが変わるってことだ。あと、一人で複数の血液型を所持することもあるらしく、こちらは血液型キメラと呼ばれる。

 ところで、結局ホムラは何型だったんだ?

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