3-7 ついに完成最もドスケベミズギ!①
さすがに老体に一週間徹夜は応えたらしく、レッセパッセは七十時間以上も眠りこけていた。
「むうぅぅぅ……」
一応覚醒したもののまだ視界に霞がかかっている。
部屋からはなにか楽しそうな声が聞こえてきた。
(そうか……ラルフとジルたんと。あとあの憎たらしい娘が来てたんだっけ)
食卓で和気あいあいとしている様子がぼんやりと見える。
(そうだ起きないと!)
息子同然の可愛い弟子に喝を入れてやらなくては!
レッセパッセは目を擦り自分の頬にビンタを食らわせる。そして叫んだ。
「コラ――――――!」
三人が同時にその声の方を振り返った。
「あっ師匠。やっと起きたんですか。死んじゃったかと思いましたよー」
実にのんきな反応である。
「なにをのんきに朝飯なんか食べているのだ!」
食卓にはこの島名物のジャイアントバナナ、ダイヤモンドココナッツのジュース、南国ダチョウのタマゴの目玉焼きなどが並んでいる。いつのまにか食材を調達していたらしい。レッセパッセの腹がぎゅるると鳴る。
「ははは。そりゃあオナカも減りますよね。一緒に食べましょう。マリシアさんはすごく料理がお上手で――」
「食っとる場合かー! ドスケベミズギはどうした!」
床を踏みつけながら叫んだ。
「安心してください。もう終わりましたから」
「なに!?」
よくみればラルフの目のクマがさらにとてつもないことになっている。しかしその表情は穏やかで自信に満ちていた。
「さあ。まずは朝食を頂いて。それからお見せ致しますよ。ね。マリシアさん」
「私もまだ最終形は見せて頂いてないんです……大変不安です」
ジルがものすごい勢いで食べ散らかしており、このままだとすぐになくなってしまいそうだ。レッセパッセはとりあえず食事を取ることにした。
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