第10話 異変
次の日は、土曜日なので、夜遅くまで、プトプトをしていた。
どうやら、妹もやっているみたいだ。
オンライン状況で確認できる。
にしても、気が気でない機能だな。
これが、オフにできないというのは、プライバシー的にどうなの?って思ったりもした。
そして、勇太は、やっとの思いで、100,000Pポイントをためて、カワダコインに交換できるようになった。
といっても、100,000Pポイントためて、やっと0.001カワダコインだ。
10万ためても、やっと、0.001カワダコインかよ……
勇太はそう思ったが、世間は、違う。
0.001カワダコインは、1,000円に相当する。
10カワダコインを持っている勇太とは、感覚が全然違うのだ。
(これだったら、マイニングのほうが儲かるんじゃないか?)
と一瞬思ったが、マイニングするには、電気代がかかるのを思い出した。
もっとも、仮想通貨目当てで、やっている人は少ないだろう。
仮想通貨を現金にするには、保護者の同意等もあり、中高生には、敷居が高すぎる。
(あ、電気代で思い出した。お母さんに電気代支払わないと……)
勇太は、そう思い、Bopay KWDcoin Walletから、0.19カワダコインを仮想通貨取引所のアドレスを送金した。
その仮想通貨取引所は、セキュリティに厳しいらしく、最低でも、1時間かかるみたいだ。
(いきなり0.19カワダコインは、怪しまれるかな?でも、分散して、入金しても、結局、出所は一緒だから、意味ないしな)
勇太は、マイニングで得た報酬なので、やましいことはしていないが、未成年が、時価19万円のカワダコインを入金したら、怪しまれるのではないかと心配した。
(もし、何かあったら、連絡すればいいし、連絡が来るかもしれないし、その時になったら、事情を話そう)
勇太は、そう楽観しながら、午前3時の時計を見つめ、
(もうそろそろ寝よう)
と思い、ベッドに入った。
6月17日土曜日
勇太は、午後1時に、起きた。
最近、ずっとパソコンのディスプレイを見ているので、目に隈ができていた。
どうやら、無事入金されていた。
そのまま、仮想通貨取引所で、売却を行い、法定通貨の出金を申請した。
出金申請は、2~3営業日とのことなので、遅くても、今度の水曜日には、銀行の口座に入っているだろう。
一連の作業を終えた勇太は、また、ベッドに寝ころんで天井を見上げていた。
(世の中、こんなに簡単にお金が手にはいるんだな…)
勇太はそう思いながら、目をつぶり、寝てしまった。
その日の夕方、勇太は、目が覚め、ベッドに寝っ転がりながら、スマートフォンを触り、プトプトを起動した。
(ん?やけに起動が重いな、それに、動きがカクカクするのだが)
たまに重くなることは、よくあることだが、こんなに遅くなることは、初めてだ。
……何かがおかしい。
すぐに、プトプトのアプリを終了させた。
終了させたら、カクつくようなことは、なくなった。
すぐさま、スマートフォンで、大手掲示板のプトプトのスレッドを見た。
どうやら、ほかの人も、同じ現象が起きているらしい。
いったい何が起きたんだろう。
そう思いながら、リビングへ行き、夕飯に向かうのであった。
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