第12話 ステータスの確認

 さて、まず朝起きて驚くこと。

 俺は毎朝、自分のステータスを見ることを日課としているのだが、今日はスキルレベルが上がっていたことに気づいた。

 しかも、何かスキルが増えていた。


 *****

 レイヤ

 種族:人

 Lv.1

 職業:モブ

 <スキル>

 危険察知Lv.1

 <固有>

 職業変更Lv.2・スキル巻き込みLv.2・背景同化

 *****


 毎日職業を変えたり、お互いにスキルで巻き込みあっていたらスキルレベルが上がった。やったぜ。


 え、毎日モブやってると思った?

 さすがにそんなことをはしない。もし俺の職業がモブだったバレたら、他の冒険者に目をつけられるだろうからな。


 それに、職業を変えた時に偶然『鑑定』と『解析』スキルがあったんだが、それを使用した瞬間に、冒険者の中に『鑑定』スキルや『解析』スキルを持っている人がいることがわかったからな。


 それ以来、俺たちはギルドに入る度に、職業を変えている。


 *****

 職業変更Lv.2


 自身の職業は変更できる。最大で24時間だが、途中で解除することができる。

 ただし、職業とスキルを解除した際、同じ職業とスキルは18時間取得することができなくなる。

 レベルに応じて、選択した職業のクールタイムが短縮されたり、取得スキルの数が増えたりする。


 Lv.2…18時間・3つ

 *****

 スキル巻き込みLv.2


 スキル使用時、相手もスキルの効果を発生させることができる。

 レベルに応じて巻き込める人数が増える。


 Lv.2…二人

 *****

 危険察知Lv.1


 自身に迫った危機を察知することができる。

 要するに、嫌な予感である。

 レベルが上がるごとに、信頼度が上がる。


 Lv.1…日常の罠に引っかからない程度

 *****


 危険察知の説明雑すぎない?


「ん……」


 俺の隣のベッドで寝ていたフシミがやっと起きた。

 いつも俺より早く起きる彼だが、どうやら例の貴族宅に行く時に、スキルを使いまくったため、疲れがたまっているらしかった。


「おはよう、フシミ。気分はどうだ?」

「おはようレイヤ。まだちょっとだるい」


 まだ疲れが溜まっているらしい。


 今度ギルドに行った時は、ギルドの食堂でグリーンピースとトマトの玉子サラダを食べるとしよう。何人の冒険者が噴き出すだろうか。楽しみだ。


「そうだフシミ。今、ステータスの確認をしていたんだが、フシミは何かスキルが増えているか?俺は一つだけ増えていたぞ」

「へえ、僕も調べてみよっと」


 フシミはそう言うと、自分のステータスを見始めたのだろうか、黙ってしまった。

 そして、一通り見終わったのか口を開いた。


「確かにスキルが増えているね……危険察知ってのが増えてたよ」

「俺と同じか……さすが『モブ』、団結力ぱねえ」

「う〜ん……団結力とかそういうやつじゃないと思うよ?同じ行動してるからだと思うけど……」


 同じ行動をしているから?

 じゃあ、違う行動をしてみたら、どうなるんだろうか。


「なあ、フシミ」

「何、レイヤ」


 俺はとりあえず、実験として提案をしてみた。


「今日は別行動にしないか?」

「僕もそう思ってた」


 さすが親友。気が合うわ。


 ということで、俺たちは別々に行動することになった。

 パーティーを組んだんじゃなかったかって?


 パーティーで行動しろなんて言われていないもんで。

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