第3話 最弱の職業?本当かこれ?
ついに俺たちの番が来た。
先ほど勇者トマトのステータスが表示されたが、どうやら他の人に見えるように表示されるらしい。
ということで、フシミと相談してこんな感じにしてみた。
*****
レイヤ
種族:人
Lv.1
職業:村人
<スキル>
なし
<固有スキル>
なし
*****
*****
フシミ
種族:人
Lv.1
職業:村人
<スキル>
なし
<固有スキル>
なし
*****
これが表示された結果、周りの人がざわざわとし始め、王様の顔が険しくなった。
さすが村人、最弱の職業。
「貴様ら……召喚されたというのに、村人じゃと……?」
ぷるぷると震えている。笑いを堪えているのか?
周りを見ると、親友のクラスメイトが俺たちを熱い視線で見ていることがわかった。
そんなに見るなよ。照れるだろ。
そんな冗談を考えていたらーー
「村人に用は無い!即刻摘み出せ!!」
ーーでかい声で王様はそう叫んだ。
おう、どうやら怒っていたようだ。失敬失敬。
しかし腐っても王様。彼の声でどこから出てきたのか、真っ黒なフードを被った人が二人来て、俺たち二人の肩を掴むと、何かブツブツと呟いた。
そして、真っ白な光が俺たちを包み込んだ。
あまりの眩しさに目を閉じてしまったが、次に目を開けると城の外だった。どうやら、転移らしき魔法で外に追い出されたらしい。しかも、正門の前ではなく城の裏という嫌がらせ付きで。
まったく、裏にも街があって助かったぜ。まさかこの国、城を中心として成り立っている丸い国じゃないだろうな?
それはさておき、水晶玉によるステータス開示の時、スキルと固有スキルが無かったが、それにはある仕掛けがある。
それが、このステータスだ。
*****
レイヤ
種族:人
Lv.1
職業:村人
<スキル>
偽装・隠蔽
<固有スキル>
職業変更Lv.1・スキル巻き込みLv.1・背景同化
*****
おい、村人が最弱の職業だって言ったの誰だよ。最強じゃねえかよ。
村人について詳しく調べてみた結果、こんな説明が出てきました。
*****
職業:村人
努力次第で様々な職業に変われる。
無限の才能を秘めた職業。
*****
最弱じゃねえじゃん。
実は、固有スキルの『職業変更』を使用した時、この世界に存在する職業が表で出てくる。そして、職業を選択すると、取得できるスキルがさらに表で出てくる。
この時に、最弱の職業と思っていた村人を選択したのだが、選択した瞬間膨大な数のスキルが現れた。
危うく声をあげそうになったんだが……村人って実は最弱じゃ無かったんだな。
おい王様、本当に村人を外に摘み出して、本当に良かったのか?
まあいいや、過ぎたことだし。
じゃあとりあえず、『異世界といえば!』のランキングベスト10に入るもの、『冒険者』になりに行きますかね!
え、ランキングって何かって?
俺とフシミで作ったランキングだけど何か?
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