魔物ハンターの最後で選択肢2を選んだ場合

 俺は、魔物への復讐と魔物を根絶やしにする使命を手放そう。彼女の方が大切だ。ティーナの体に触れて、初めて実感した。自分の罪の意識を。俺はティーナを。眼の前の大切な人を見つめる。

『ああ』

 瞬きするティーナ。

『…ア、アラン。それは本当?本当に??』

 俺は頷く。気付けば魔物ハンターとして随分と酷い事を魔物達にしていた。必要以上に彼らの死体を破壊した。魔物を倒していく内に大きな力で魔物を虐殺する事が快感になっていた。復讐も、魔物を倒すという使命も魔物を虐殺する快楽を手にれる為の方便でしか無かった。こんなどうしようもない男にティーナは救いをくれた。

 

 ティーナは眼の前の、脱衣所から駆けだして食卓に並ぶ木の皿にのった食材を片っ端から下に叩き落す。

『ティーナ…』

 瞬きしてティーナを見つめる。

『何をしてるんだ??』

 ティーナは散乱する料理の中で蹲り、俺を見つめる。

『ごめんなさい』

 顔を覆って泣き出すティーナ。

『どうしたんだい?』

 俺はティーナの顔を見る。

『私、この料理に…この料理に毒を入れたの』

 眼の前で泣くティーナを見て俺は彼女を、大切な人をこんなに傷つけて、こんなに苦しめていたという事を改めて理解した。

『ティーナ。もういい。もういいんだ』

 俺はティーナに寄り添い、手を握る。

『これから君と一緒に第二の人生を送りたい』

 ティーナは俺を見上げ、俺に抱き付く。俺は最後の最後で彼女のおかげで

 自分の凶行を止める事ができたんだ


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魔物ハンター のろい猫 @noroineko

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