別に雰囲気で書いてもええのではないか(結論)
大澤:ん、なんか次のトピックあるかな。なんか為ニキが喋りたいこととか、聞きたいこととか。
為三:読書遍歴とか? ああ、でも漫画の話になると複雑怪奇すぎて一晩では無理。少年誌から少女漫画誌、ネムキからゼロサムにまで話がとぶ。
大澤:あ、そうそう。為ニキはかなり本読んでるよね。それも雑食。
為三:ラノベはベタにスレイヤーズから本格的に読みはじめて、大久保町シリーズとろくご先生の食前絶後!! あたりがメイン。あとは五代ゆう先生のはじまりの骨とか機械仕掛けの神々とか。
大澤:大久保町はなんとなく知ってる。
為三;漫画はTONO、おがきちか、紫堂恭子、こがわみさき、あとは川原泉とか萩尾とか大島弓子とか遠藤叔子とか。ほかはアフタヌーン系からジャンプまで色々。ガンガン系だとパンドラハーツとかあの辺も読むので。
大澤:あ~川原泉と大島弓子あたりは大澤もバイブル。川原泉の「ま~いいさ。わっはっは」みたいなヒロイン像めっちゃすき。あの世代の少女漫画は少女漫画と言いつつジャンルレスで縦横無尽だよね。為ニキも少女漫画みたいなの書こう。
為三:麻生みこととかめっちゃ好きなんだけどな、今はモーニング系で書いてるけど。花とゆめHTCというのがあってだね。HCTだっけな、まあいいか。
大澤:はくせんしゃ!
為三:要は白泉社の少女漫画新人賞なのだが、デビュー前の新人さんがわずか16Pの短編で審査されるから、如実にポンテンシャルが浮き彫りになるんよ。中学生時代の俺、花とゆめ本誌から、ザ・花とゆめ、別冊花とゆめを網羅していて。あとlala系も。
大澤:女子中学生のたしなみよね~~。
為三:高尾滋とか菅野文とか、草川為とか、芽が出るマンガ家さんは受賞作からもう違うのよな。椿いずみは最初からもう椿いずみだった。そういう芽が出そうな新人さんを探すのが当時の楽しみだったのだ。
大澤:なるほど。
為三:嫌な中学生よな。
大澤:無敵のウエメセ感。
為三:ていうか、美しさみたいなのない? 話の。
大澤:16P漫画というフォーマットに? それともデビュー作という煌めきに?
為三:無駄のない枚数でキレイに伏線を回収しつつテーマを語り、ラストにどんでん返しもある、素晴らしい!! みたいな読み方をしてしまうので、やはり自分が書くときもその辺に理想を置いてしまうのよな。P16でなくてもあの手のって一発勝負の読み切りスタイルだから、ある種の様式美を満たしたうえで独自性を出さないと通らないやん。
大澤:わかる。まず終わる話がすき。どうせなら短ければ短いほど良いという価値観が基本的にある。
為三:ジャンプの読み切りとかもそうだけど、長く続くシリーズよりも連作形式のほうが読みやすいし、こがわみさきとかマジでそれ。少女漫画様式美の最高峰。
大澤:わたしも基本的には短編の人なんだよね。実は長編ってほとんど書いたことがなくて、本になっているのもだいたいは連作短編だから。でも、まだまだ無駄が多いから、もっとキレッキレのソリッドな仕上がりにした。無駄が一文字もないくらいの。
為三:俺もまあ短編形式のほうが楽なので、今年は連作に絞っている。webだとそのほうが読みやすいしな。
大澤:わりと見てると10万字の壁に悩んでいる人がいるっぽいけど、そういう人は連作短編いいと思うよね。やってるとそのうち10万いくから。
為三:10万字そんなきついか? とも思うけど、飽きるタイミングっちゃそのとおりなのよな。面白くないのではないか……? とか、書き直したほうがいいのではないか……? と悩みだす。
大澤:あ~、あるかな。いや、逆かな。大澤の場合はむしろ10万字くらい書いたあたりでようやくキャラが自発的に喋るようになって、話が膨らむかも。
為三:基本的には「微妙な反応されたときに筆が止まるようなら」「誰かに見せないで終わりまで書いたほうがよい」というのと、「筆を止めるくらいなら書き直さずに」「終わりまで書いたほうがいい」というのが去年のライフハック。あと投稿サイトはダイレクトに結果が出るゆえにモチベーションのノイズになりがちなのでやはり畳めるところまで書いてから公開したほうがベター。迷ったり悩んだりするリスクを極限まで減らすのだ。事前にプロットを作るのもそれ。だから、クソ馬力でなんとかなるめぐちゃんとかはまあ、別に雰囲気で書いてもええのではないか。
大澤:結論わらう。
為三:大体、他人に評価を求める時点で迷いの兆候なのよな。単純な確認でなくて、いいねと言ってほしいだけなら、公開前に見せないほうがいいのでは。そもそも見せても誰も読まねえけどな基本。
大澤:それね。
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