第8話 入国管理の徹底をするのです

今日は法律を公表する日でもあり、

私がクビになる記念日だ!

私は早速文章を読み上げた。


「えー、今回の法律は、お金を払わずにじゃぱりまんを取ってはいけないという法律だ。間抜けな愚民共は、金銭の取引を介さず、万引きするという頭がおかしく、常識から逸脱している者が大半を占めている。この法律によって何人も逮捕者が出るかもしれない。法務省は警察を作り、そのトップにアミメキリンを任命する。ま、とにかくムショに行きたくなければルールを守るんだ。いいな?以上」


会場は静まり返っていた。


「タイリクオオカミ...、ちょっと良いですか」


博士に呼ばれた。


(作戦通りだ...!クビになるぞ...!)


「なんですかあの、“間抜けな愚民共”とか言う発言は...」


「あー...、少し言いすぎたね。すぐにお詫びして」


「いいや。その必要はないのです。

私はあなたがますます気に入ったのです」


「はい?」


博士はタイリクオオカミの両手を握った。


「私も“愚かな愚民共”って言いたいのです。けど、人気が落ちるのは嫌なので...、自らそういう発言をするとは...」


「えっ...いや、クビじゃないの?」


「奴らは賢くないので言葉の意味はわからないから、安心するのです」


(嘘だろ...、やめてくれよ....)


「あなたは一生離しませんよ、タイリクオオカミ」


その台詞が呪いの呪文の様で、タイリクオオカミは震えが止まらなかった。





数週間後


「首相」


「どうしたのです、防衛大臣」


「我が国の領空に見知らぬフレンズが...」


「不法入国で捕らえるのです」


「は...?」


「早くするのです」



ヒグマはすぐに、キンシコウ達に要件を伝えた。そして、フレンズを呼び止め捕らえたのだ。

そのフレンズは直ぐに図書館へ連行された。



博士の監視の元、警察職に任命されたキリンはそのフレンズの調査をしていた。

時同じくして...

法務・外務・財務・防衛の4人は密かに話合いを行っていた。


「博士はおかしいだろ...、あんなことして」


ヒグマは否定的な意見を述べた。


「あぁ...、クビになりたいよ...」


嘆くタイリクオオカミ


「一応忠告はしといたけどな」


ツチノコは腕を組んでそう言った。


「皆の意見はどうなの?コノハ政権は」


フェネックはそう、ほかの者に尋ねた


「博士のやり方にはあんま納得いかねーな」


「ツチノコの意見と同じだ」


ヒグマはうんうんと頷く。


「あっ!そうだ!博士を首相の座から引きずり下ろせば自由じゃないか!

内閣総辞職だ!あっはは!」


狂ったように唐突にタイリクオオカミが手を叩きながら言った。


「それは手荒すぎるよ。

私のプランでは、不信任案をかばんに

出させる。それで、選挙戦を持ちかける。選挙でかばんを当選させて首相に

させて、国を解体させるんだ。

これで元通り、でしょ?」


「やめれるならなんでもいい」


「じゃあ、フェネックの作戦で行こう」


ツチノコもタイリクオオカミも同意した。


「もし、それが上手くいかなかったら?」


ヒグマはフェネックを見た。


「うーん、そうだなぁ...」


「それか、私が博士が不利になる様な法律を作ってそれで退任させればいいのか!」


「タイリクオオカミの案は上手くいかなかった時にしようか」


フェネックはそう言った。

水面下で自身の閣僚たちが自分を陥れようとしている事など、博士は勿論知らない。




「カワラバト...、仕方ないですね。

旅券を発券するので、持ち歩いてください。出国の際はまたここに来るのです」


「はっ...はぁ...」


カワラバトは疲れた表情をして、図書館を後にした。



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