第7話 外交は有益なのです

「フェネック、ごこくに行くのです。

がいこーするのです」


そう誘ってきた。

外務大臣の仕事をしなくちゃ。


「アライさんも行きたいのだぁ...」


「ちょっとお留守番しててねー」


アライさんの頭を撫でてから、

博士と共に空を飛んでごこくへ向かった。




《ごこくエリアとしょかん》


このエリアにも図書館がある。


「どうも、はじめましてなのです」


「どうもー」


「あなた達は...?」


「アフリカオオコノハズク、きょうしゅうの長なのです」


「フェネックだよ...、長代理」


「メンフクロウだけど...、

何しに来たの?」


目を細めて2人を見た。


「挨拶がてらの政治の話を...」


「は?」






一方きょうしゅうでは。


「タイリクオオカミ、何をしてるのです」


「法律さ。博士が帰ってきたら公表する」


(あんなダラダラ机に頬を付けながら書いていたのに...、あの変わりよう...

どうしたんでしょうかね)






「はー...、大災害おきないかなぁ...」


スナネコは1人、草原に大の字になり寝転がって空を眺めていた。


「やっほー、スナネコ!」


「サーバルさん」


「環境大臣だっけ?大変だねー!」


「あはは...」


適当に笑いを見せた。


「かばんちゃんね、こんど博士と話すってさ!」


「へぇー」


興味無い様に返事をした。


「一緒に空見てもいい?」


「別にいーですよー...」





「ただいまなのです」


博士が戻って来た。


「戻ってきたよー」


「何してきたんですか?」


私は尋ねた。


「条約を結びました」


「条約?」


「国境線の制定さ、まあ後細かいのを色々」


フェネックはそう言った。


「もうちょっと欲張っても良かったですがね。まあいいでしょう」


「はぁ...」


博士のやってることは次第に風船が膨らむ様に大きくなって行った。

私はその風船がいつ破裂するのかを危惧している。


(最悪な方向へ向かわなければ良いのですが...)

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