第5話 ここに建国を宣言するのです
翌朝、図書館には博士が勝手に指名した
閣僚が全員招集された。
「さて、ここに集まってくれた皆さんは今日から私の政治に協力するのです
さあ、共に新たな歴史の1ページを刻むのです!」
「お、おう...」
「はいよー」
「は、はぁ...」
「ハァー...」
「はーい」
博士が重要だと言っていた
防衛、外務、財務、環境、法務の五職は
揃った。しかし閣僚から出る声は...
まあいつもの調子だ。
太陽が真上に上がった時、
博士は特設の壇上へと上がった。
外には噂を聞きつけやって来た大勢のフレンズがいる。
「みなさん、本日はお集まり頂きありがとうなのです。私、アフリカオオコノハズクは、島の長として、その役割を全うしてきたのです。これからはその役割をバージョンアップするのです!
そして私は今ここに“きょうしゅう国”を
建国し、私は首相となるのです。
今度から私を首相と呼ぶのです」
そう演説をし終えるとざわざわと声が聞こえた。
「法務大臣から憲法と法律の説明があるのです」
博士の代わりにタイリクオオカミが
壇上の前に出る。
分厚い紙を卓上に置いた。
「えーっ...、共和国憲法第1条
国はフレンズ、つまり、国民一人一人を尊重し、保護をする義務がある」
そういった感じで憲法が読み上げられた。
「憲法第10条、国民は国が存亡の危機に陥った際はその力を国の為に捧げなければいけない。
憲法第11条、首相任期は無期限とし、現状に不満ある者は不信任案を提出すること、憲法第12条、コノハ首相に対する侮辱は極刑としコノハ首相を偉大なる指導者とし、敬わないといけない。以上
えーっ、続いて国民に対しては...」
私は思わず横にいた博士に耳打ちした。
「ちょっと、首相...。極刑って何ですか。冗談よしてくださいよ…」
「島の長ですよ?尊敬されて当然なのです。だから、態々憲法に付け加えたのです」
(不信任案とかここのフレンズが書くわけ無いのです...、実質博士の独裁じゃないですか...)
私は心の中で重い溜息を吐いた。
「今のところ...、法律は
フレンズを傷つけない
他人の物を盗らない
他人の物をわざと壊さない。以上だ」
ハァーという溜息をついてタイリクオオカミは下がった。
「官房長、あの説明を」
「あ、はい」
私は前に出た。
「えっと、これから皆さんは、何か物を買ったりする時に“お金”を使ってください。ジャパリコインを通貨にします...
皆さんは持っていないのでこのあと、
1000JPCを配布します」
一例して下がった。
にしても、ざわつきが収まらない。
「かばんちゃん、お金ってなに?」
「ヒトが使ってたんだよ。
お金と交換して、例えばじゃぱりまんを手に入れてたんだ」
「へぇ...」
その後色々あって小一時間程で
建国宣言式は終わった。
その日の夜
「明日から、本格的に仕事するのです」
「最初は何事も上手くいかないかもしれませんが...」
「そんなのわかってるですよ」
博士はそう言っていた。
(なんかすぐに行き詰まりそうな気がするのです...)
私はそんな不安を抱えていた。
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