47.理不尽に耐えられない
政治情勢の話で申し訳ないのですが、ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見るたび涙が出てきます。
戦争が怖いからというわけではなく(嫌ではあります)、ウクライナの人が気の毒という気持ちもあるのですが、なによりこの世があんまり理不尽なのを目の当たりにさせられてつらくてつらくて仕方ないのです。
なにもかも意味がわからない。理屈はわかるんですよ、ロシアは昔からずっと海に出たくて、それには日本の北方領土かウクライナの黒海を狙う必要があるというのはわかる。でも意味がわからない。そのためだけに他国を、他者を踏みにじるのいうのが本当に理解できない。
こんなひどい非難されるべき状態に乗じて日台を牽制してくる中国も理解ができない。
この時代に、相手が弱ければ何をしてもいいんですか。マイノリティは排除されてもいいんですか。
わたしは高校生の頃、パニック障害で学校に行くのがつらくて毎日毎日泣いていたのですが、学校に行くのを渋ると母親はいつも嫌な顔をして舌打ちをしました。
リスカしているのを見られても「やめなさい」と嫌な顔をされるだけでした。
それなのに近所の子が不登校になったのを知ると、母親はその子を気の毒がりました。
わたしは? どうしてわたしはだめだったの? 許されなかったの? 助けられなかったの?
理不尽に踏みにじられているのを見ると、自分が理不尽に扱われたことを思い出してさらにつらくなってしまいます。
この世は理不尽にできている。弱者救済のための社会が弱者を糾弾する。誰に許可を得なくても存在しているマイノリティがなぜか許可の議論の対象になる。わたしは許されなかった。
こんな理不尽なこの世からいなくなりたい。気が狂いそうになる。
わたしは頭の中に魔女の庭を持っています。花が咲き乱れていて、わたしは毎日その世話をします。ゆるやかな丘のある草原がどこまでも続いていて、そこを死んでしまった犬と一緒にどこまでも走っていく。大きな木の下でのんびりお茶を飲んで本を読む。夜は大きな湖に星空が映って、空にはゆったりとクジラが泳いでいる。蜜蜂の代わりに小さなクラゲがゆらゆらと花から花へ漂って花粉を運ぶ。小さなガゼボには白くて薄いカーテンが下がっていて、いつもそよ風に揺れている。
理不尽なことはなにもない。怖いこともなにもない。わたしは泣かなくてもいい。誰も泣かなくていい。
この世からいなくなって、わたしはわたしの頭の中に帰りたい。
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