46.砕けて散らばったまま

わたしはわたしの感情を信用していないのですが、昔はそれが今よりも顕著でした。それは母がわたしの感情を否定したからだったと思います。でもでもだって、の人なので、わたしが何を言っても「でも」とか「いや、」とか返ってくるのです。

なので他人の言うことばかり信じておこなってきました。世間一般で言われることも言動の参考にしました。

当たって砕けろという言葉があります。まるで正論みたいな顔をしている言葉ですし、わたしは正論であると思っていました。なので当たりました。そして砕けました。それで知ったのです。砕けたわたしを拾ってくれる人はいない。助けてくれる人はいないと。びっくりしました。正しいことをしたのに助けがないのはどういうことかと困惑しました。

わたしはいまだに砕けて散らばったままです。宝石の国ネタですけど、砕けた宝石たちが自分で自分を修復できないように、人間も砕けたら自分で修復できないのです。

他人は他人に無責任です。それを自分の感情を無視し続けたわたしは知りませんでした。

もうわたしは直りません。砕けてしまったから。無意味に当たらないほうがいいです、とわたしは言います。砕けても砕けるだけでいいことはないです。かけらになった自分が散らかるだけです。

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