36.本心ちゃん

Twitterで話題になっていた鬱漫画、フィクションだとかPRだとか言われているけれど、心は犬猫のようなものでその自分の心の声を聞き寄り添うことは大事なことだと思って感銘をうけました。

わたしはずっと自分の感情を信用していなくて、悲しいとかつらいとか思っても、どこか別のところで「本当に悲しいのか?つらいのか?」と疑う自分がいるのです。自分の感情より他者の言うことについていってしまうのはそのせいです。

でもそれは、自分に対して「嘘つき!嘘つき!」と言い続ける自己虐待に当たるのではないかと思いました。

たぶんつらいのなら「つらいねー」とただ寄り添ってあげるのが良いのだと思います。つらいのだからつらいのです。

でもそうやってずっと自分を虐待し続けてきたから、本心ちゃんは、本音をわたしに言わなくなっています。聞こうとしているのですが、なにを言っているのかよくわからないのです。

それにわたしは本心ちゃんのことをこわがってもいます。それはきっとすごく弱くて汚くてずるくて醜い。見るのがこわいのです。でもそれはもしかしたら、わたしが本心ちゃんを虐待し続けてきたせいかもしれなくて、そうならば今こそわたしは本心ちゃんを抱きしめてあげなければいけないんじゃないでしょうか。

難しいことです。今までずっと信じてなかったものを急に受け止めることは出来難いし、見るのもこわいものを抱きしめるのは勇気がいる。本心ちゃんは何を言ってるのかわからない。

でも、本心ちゃんの言葉に反論したり説教したりだけはしないよう気をつけたいです。ただ「そうだねー」と寄り添うだけ。これは犬や猫みたいなものだから。理屈ではないものだから。

あの漫画が実際なににせよ、自己虐待し続けてきたわたしにとって重要なことを教えてくれた漫画ではありました。

本心ちゃん、あなたの話が聞きたいよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る