15.リスロマンティック

 ツイッターで初めてリスロマンティックという言葉を知りました。

 ちょっとした衝撃でした。

 リスロマンティックというのはセクシャリティのひとつで「恋愛感情は持つけれど相手から恋愛感情を向けられることを望まない、必要としない」というものだそうです。

 こちらがわかりやすく詳しかったかなと思います。


 ・新卒二年目でリスロマンティックの介護士が婚活するブログ様

 http://warotemka.hatenablog.com/entry/2018/02/27/183514


 ・リスロマンティックと蛙化現象の話

 https://note.mu/aya_palette/n/n730a284be626


 もしかして私ってこれなんじゃないか? と思いました。

 例えば黒歴史回で書いたアイドル的に好きだった男の子に付き合いたいと思ってもないのに告白した話。3回目で書いた好きだったのに告白もしようと思っていたのに付き合いたいとは思っていなかった男の子。黒歴史2に書いた「私を好きな男の子がいる」という結局嘘だった噂に無性に腹がたった話。

 もちろん誰かに恋愛感情を向けられたことがないので、そうなったとき自分がどのような感情を抱くのかわかりませんが、実際に今も誰かとお付き合いしたいという気持ちがないのは確かです。あるのは、肩書。恋人がいるとか既婚者であるとか、そういう肩書だけがほしいです。

 好きな相手もその高校の男の子を最後にいないので、何とも言えませんが、もしかしたらあの男の子にも恋愛感情を持っていたのかもしれません。ただそれ以上を望まないという事態があるなんて思いもしなかったので、恋愛ではないと決めていただけで。それはもう今となってはわからないし、もうどちらでもいいことですが。


 私の場合、自己否定、自己肯定感の低さから来るものだと思います。こういうセクシャリティは先天的なものでないとだめなのか、後天的でも良いのか、正直なところセクマイに無知な私にはわかりません。けれど自認という意味ならばきっと私はリスロマンティックです。

 自分を好きだと言われても、自分の何が良いのか、どんな振る舞いが気に入られたのか、これからどのように振る舞い続けていれば嫌われないのかわからなくて、相手が自分の何を見ているのかわからず全く信用できない。

 自分を女性として見ている。自分の女性性を意識している。私は見た目も声も悪いので女性としての自信が全くありません。事実、今まで女性として好意を寄せられたこともない。もし寄せられたら私のどこに女性性を見たのか、わからなすぎて怖いし気持ち悪いと思います。


 アダルトチルドレンと似ていますね。自分がきっとそうだろうとわかったところで、どうにもならない。ただ自認して受け入れて、知って、そのぶん少し楽になる。

 世の中の大勢とは違う部分は自分でも受け入れ難く、扱いにくいものです。もやもやもやもや、なんで私はみんなのようにいかないんだろう。

 けれどこうして名前がついて、他にも同じような人がいるんだよと知ったとき、心が少し軽くなる。

 いろんな人がいる。ひとりひとり違う。本当はそれが当たり前のことで、それぞれがなんとなく互いをスルーし合って、気の合う人とは仲良くする。いちいち排除しようとしない。そういうことが当然の世の中になればいいのに。自分と違うものを排除しようとするのは、生き物の本能みたいだから、だからこそ理性ある人間はそうすればいいのに。誰かを追い詰めるようなことはしなければいいのに。

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