10.黒歴史2ページ目

 前回に引っ張られて記憶の引き出しから出てきた黒歴史ミニをこの際なので出していきます。時効じゃ時効!(やけくそ)


 中学生のときです。ある日、クラスメイトから他クラスのある男の子が私のことを好きらしいという話を聞きました。

「〇〇がやどりちゃんのこと好きなんだって!」

 どうしてかはわからないんですが、私は猛烈に腹が立ちました。ちょっと今でもなぜなのかよくわからないです。とにかく腹が立って腹が立って仕方なく、その男の子を見かけるたび怒りがわいて睨みつけるということを繰り返していました。

 喪女のみなさん待ってください、オチがあります。

 後日、〇〇は別に私を好きではないということが判明します。ね。

 どこでどのような勘違いがあったのか不明ですが、根拠のない話に踊らされてしまったのでした。〇〇くんからしてみればなんとも思ってないブスからいつも睨まれるという惨事以外のなにものでもなく、申し訳ないことしきりでございます……。


 今度は高校生です。

 部活の練習試合がきっかけで他校の男子と付き合うことになった先輩から、その友達を紹介しようかと言われ、断りきれずとりあえずメールアドレスだけ交換することになりました。人見知りと強いコンプレックス持ちゆえ嫌だなあと思う気持ちと、もしかしたら恋愛に発展することもあるのかもしれないという好奇心から、おっかなびっくりではありますがメールのやり取りが始まりました。

 それでまあなんやかんや会うことになったのですが、さすがに1対1は無理すぎてお互い友達を伴う2対2ということで収まりました。

 私はその頃あまりクラスに馴染めていないというか、なんとなく位置が定まらない感じだったのですが、ひとりこういう浮ついた話を聞いてくれる子がいたのでその子に付き添ってもらうことにしました。その子も同じくクラスに馴染んでいないというか、学校以外に居場所があるような子で、同中の人からの評判はあまり良いほうではなかったです。おとなしそうな雰囲気とは違って遊び人、みたいな。でも私はその子のことを好きでした。ずっと一緒にいるような仲ではなかったですが、何かあればお互い頼ったりおしゃべりしたり、あれはあれで良い関係だったなあと思います。

 便宜上Rちゃんとしますが、その子に付き合ってもらって、メール相手に会いに行きました。もう顔どころかかっこよかったのかどうかも覚えていない始末ですが、その日は部活関係のお店を見たりゲーセンに行ったりで特に何事もなく暗くなる頃さよならしました。

 問題は後日です。授業中にメールが着ました。机の中で震える携帯。PHSだったかもしれない。わからない、何も……。とにかく届いたメールは紹介された彼からで、内容はRちゃんと付き合うことになったというものでした。

 私のそのときの感情は、ちょっと言葉にはできない。相手を好きになったわけではない、相手からの好意の手応えも特に感じていなかった、でも何かあるのかもという期待はあった、でも別にぴんと来なかったしそもそも全然うまくしゃべれなかったし振る舞えなかったから恥ずかしかったな、会わないほうがよかったかも、恥かいた、私がもうちょっとうまくできていれば何か違ったのかな、でも私がお付き合いとか想像つかないな、といろいろ複雑で、だけど私が紹介された男が私の付き添いで来てくれた子と付き合うとか、私の存在とは? 惨めではないか? 怒っていいのか? でも腹は立っていない気がする、大体怒るような立場にないな?

 もう一瞬でひどい混乱に陥り、どうするべきなのか全くわからなくてでもメールはすぐに返さなきゃいけなくて、これ以上自分を惨めな気がする位置に置きたくなくて早く終わらせたくて、完全にバグった頭はこのような答えをはじき出しました。

「じゃあ私がふたりの恋のキューピットだね!」

 恋のキューピットて……お前……


 う、うう、ああああああああああああああああああ仏説摩訶般若波羅蜜多心経観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄

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