　今回は、恋愛と性の話です。

　私は喪女ですので当然どなたともお付き合いをしたことはありませんし、告白を受けたこともありません。

　正直なところ、彼氏がほしいと感じたことがないです。引きこもっていた期間が長く、社会と接点を持っていなかったという部分も大きいのかなと思いますが、前回触れた好きな男の子に対しても付き合いたいとは思っていませんでした。私を好きになってほしいとは思いましたけど、そのことと付き合うことは私の中でどうしてか全然別物で、告白すると言ったって好きです以外にどうすればいいのかわかりませんでした。好きですと告げて、相手がはいと受け入れてくれてそれでおしまいってことはないでしょうし、じゃあ付き合いましょうとなるのでしょうが、それを言われても私は戸惑ったと思います。

　高校生のときには、アイドルみたいに見ていた男の子がいて、恋愛感情は抱いていませんでしたがいろいろあった結果、もうほんとにめちゃくちゃな話なのですが告白をすることになりまして、当然振られましたが、やっぱり本心では全然付き合いたいと思っていませんでした。そもそも廊下で見かけたらラッキー、目の保養くらいな感覚だったから付き合うも何もないのです。

　ですからその男の子は恋愛として好きの数にいれてません（本当に死ぬほど申し訳なくて当時の彼や彼周辺の人々の記憶や記録から綺麗さっぱり消えたい……）。

　誰かと付き合いたいと思わないし、誰も私と付き合いたいと思っていないという事実は不毛が生まれない点で良いことだと思います。ただコンプレックスはあります。この歳まで誰とも付き合ったことがないというのもなかなか珍しいことでしょう。ついったランドではたくさんお見かけするんですが残念ながらリアルワールドでそのような方にお会いしたことはありません。喪女たちどこにいるの？

　このコンプレックスを解消するには誰かとお付き合いするしかないわけですが、それが出来ないからここまで来ているわけです。まあこのままこそこそと世界の暗がりで生きていくんだからいいか、とコンプレックスと添い遂げるつもりでいましたが、ある時すごく衝撃的な漫画を読みました。永田カビさんのレズ風俗レポ漫画です。

　永田カビさんの生きることへのつらさ、母親への気持ち、そして此岸と彼岸という感覚に猛烈に共感して号泣しました。そして永田カビさんはレズ風俗へと救いを求めます。安易にも程がありますが、私は涙とか鼻水とかでぐちゃぐちゃになりながら「私もレズ風俗に行ったら救われるのかなあ」などと半ば本気で思いました。結局カビさんは、セックスは高度コミュニケーションである、という結論を出しておられました。つまり私に出来るわけがない。がっくりしましたが、その頃からぼんやりと「誰とでもいいからとにかく一度セックスしてしまえば楽になるのでは？」という考えに時折取り憑かれるようになりました。実際、多少なりとも楽になれるとは思うのです。

　でもじゃあセックスしたいのかと言えば、したくないです。自分が実際に誰かとセックスすると考えただけで気持ちが悪い。私はたぶん、セックスそのものではなくて「そういう行為をする自分」が気持ち悪くて耐えられないんだと思います。他人がするぶんには別にどうだっていいですから。大体よく知らん人の体に触れたり触れられたりするのってそれ自体かなり気持ち悪いですよね。

　性欲の部分も、よくわかりません。性欲があるという状態がどういう状態なのかわからないので、自分がどうなのかもいまいちわかっていないです。自分は絶対にしたくないけれど、R-18の漫画や小説を読んで「ああ楽しかった」となることはあります。他人事だから良いのかな。

　いろんなことがこんがらがっているなあ、と思います。

　恋愛に対するコンプレックスがある。一度ヤッてしまえば何かが楽になるような確信はある。でもお付き合いもセックスもしたくない。

　結局どちらもコミュニケーションなのです。私が大の苦手で全然出来ないことなのです。逃げていると言えばそうなんだろうなと思います。

　でも耐えられない自分をどうやって耐えればいいのかわからない。耐えることを努力だと私はずっと思っていました。今は違うと頭ではわかっていますが、それはまだ理屈だけという感じです。気持ちの悪い自分を、どうすれば気持ちが悪いと思わなくなれるのでしょう？　本当に謎です。誰かと付き合うのもめんどうくさいとか煩わしいというのが大きいですが、そこにはやっぱり自分が気持ち悪いという感覚もある気がします。

　つまり私の敵は私自身なのでしょう。

　もしかして私は一人相撲をするために生まれてきたのかな？　女が土俵にあがったらだめなのにね！（時事ネタでーす↑）

　こういうことを考えていると、幸せって一体何なのだろうと思います。

　私にとって何が幸せなんだろう。漠然と幸せになりたいと思うのに、それが何かはわからない。幸せなんてこの世に存在しているのかな。

　きっと、一般論として幸せとされるものを幸せと感じて手に入れられる人に、私はなりたかったのだろうと思います。