第19話 就労移行支援事業所
今回のテーマは、就労移行支援事業所です。
なんの事だかわかりますか?
就労移行支援というのは、福祉サービスの一環です。
障害を持った方が、就労の向けてトレーニングする場の提供、または就労後の定着に向けてのサービスを行う施設です。
福祉系の法人だけが行っている訳ではなく、一般の株式会社も事業参入しております。
基本的なサービスは、就労に向けてのトレーニングとその補助になりますが、サービス内容は事業所により様々です。
講義を行う事業所もあれば、講義は一切行わずに軽作業のみを行う事業所もあります。
当然サービスを受けるには、一定金額の負担が必要となりますが、障害者手帳を持っていれば市からの補助を受け、自己の負担は不要になります。
就労移行支援はあくまでも就労を目指す方々が通う場所です。
あくまでも就労が出来る状態にある方が通う施設であり、入院等を繰り返し就労は難しいと思われる方は通えるべくもありません。
もし、入所の検討を考えてらっしゃる方が、この一話をご覧になられたら、数か所の事業所を見学、若しくは体験入所して、ご自分に合ったカリキュラムか否かを、しっかり判断する事をお勧め致します。
就労移行支援事業所は、学校の様な場所というよりは、訓練所をイメージした方が早いでしょう。
通常は、担当の職員と面談し目標を定め、就労に向けてどの様なスケジュールでトレーニングしていくかを決めます。
これを個別支援計画と呼び、この計画に沿って支援を行い、定期的に振り返る事で、目標への進捗状況を確認する訳です。
ただし先に述べた様に、事業所が提供する支援サービスは事業所によって様々です。
講義を行って、知識を優先的に身に着けさせようとする事業所があります。
ひたすら軽作業を行い、実際の就労に近しい環境を提供する事業所もあります。
グループワークと呼ばれる、小規模グループによる疑似会議体験を取り入れる事業所もあります。
それこそ、ピンからキリまであるのです。
当然ながら、職員との相性も重要になります。
自分と馬が合わない職員が担当になれば、通う事自体にストレスを受ける事になります。
サービス内容、職員等、様々な観点から、自分に合う事業所を探す事が、就労移行支援事業所を利用する第一段階でしょう。
自分に合った職場探しの練習とでも思ってください。
中には有るんですよ。
ここの事業所は、職員の教育がなってないんじゃないの?
そんな風に思える事業所が。
やる気が無さそうに、いつも気ダルそうにしている職員。
教えてやってるんだから言う事を聞けと、上から目線で障害者を見下す職員。
職員の都合でプログラムを変更し、障害者を困惑させる事業所。
こんな事業所に通ってしまったら、振り回されるだけで返って就労から遠のくでしょう。
そんな事にならない為に、事業所の見極めが必要なのです。
とは言え、自分に合った事業所とは何だろう?
それには、自分が何に困っているのかを知る必要が有ります。
しっかり自分と向き合い、現在の問題点を探す必要が有ります。
ただ、それは簡単な事ではありません。
精神、知的に障害を持たれてる方には、困難かもしれません。
見極めの際には、家族等の相談できる誰かに頼る事をお勧めします。
ざっくりとした説明になりましたが、就労を目指したトレーニング施設である就労移行支援自体に問題が無いとは言い切れません。
直ぐにでも就労が出来る状態である方。
所謂、身体的、精神的にも成熟し、就労を続ける事に何ら問題の無い障害者に対しては、帰って回り道に感じる事があるでしょう。
パートやアルバイトで行う軽作業と同程度の作業を行っているにも関わらず、福祉サービスの一環とした扱いの為、作業の対価と支払われるのは、最低賃金の三分一にも満たない程に安い。
就労が出来る状態なら、さっさと仕事を見つけた方がまし。
そう考える障害者も居る事は事実です。
そんなデメリットを感じる中、メリットも当然有ります。
雇用形態に関わらず、就労した後、欠勤はペナルティーの対象となります。
欠勤が続けば、解雇対象にもなるでしょう。
就労移行支援は、あくまでもトレーニングです。
体調や気分次第で休んでも、ペナルティーは有りません。
なぜなら、継続的に通う事自体がトレーニングの一環だからです。
障害により長らく仕事から離れ、職に就くには著しい不安がある。
障害により就労自体が未経験で、ある程度の経験を積んでから就労を目指したい。
この様に感じてる方は、就労移行支援をお勧めします。
少し長くなりましたが、今回はこの辺で。
障害に苦しむ方々が、より良い就労に向けた一助になる事を願っております。
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