第18話 過敏性腸症候群

 さて、まだ前職で働いていた時に、下痢に苦しんでいた事があります。

 思い返せば、既にうつ症状が表に出現していたのかもしれません。

 確かに、私は調子が悪い時、酷くプレッシャーを感じている、若しくは酷い負担を感じている時は、下痢になる時が良くありました。


 当時、過敏性腸症候群なんて言葉を、知らなかった私は、内科を受診しました。

 下痢の他に、嘔吐や熱の症状も出ていたので、私はかなり衰弱していました。

 最初に診断された内容は、急性胃腸炎。

 

 薬を処方され、吐き気や熱は治まっていき、仕事中も少し楽になりました。

 しかし、下痢は一向に良くなる気配がありませんでした。

 流石に不安になった私は、再び同じ内科を受診しました。


 検査をしても、特に異常が有りません。

 そして疑われたのは、過敏性腸症候群。

 精神的ストレスから来る腸のトラブルです。

 特にストレスを感じやすい人に起こりやすいらしいです。


 そうして処方されたのが、イリボーという薬です。

 その薬を飲み始めてから、少しずつ下痢が治まったのを感じました。


 実は、急性胃腸炎と診断された時点で、内科医の先生が二つの事を私に言っていました。


「これで、効かなかったら原因は別にあるかも知れないよ」

 

 私は、直ぐにピンときました。

 あぁ、鬱が再び来たのかもしれないと。

 ですが、認めたくない私は、それでも仕事を頑張り続けました。

 たかが、下痢如きで倒れる訳にはいかないと、自分に言い聞かせて。


 その半年後、私の症状は悪化します。

 下痢どころではなく、熱、めまい等で歩けなくなり、常にクラクラして碌に前も見えない状態にまで陥りました。

 流石にこれ以上はヤバイと感じた私は、心療内科を受診し診断書を貰い、職場に提出し休職を開始しました。


 私の場合は、精神的な影響で起こった腸の異常でした。

 しかし腸の病気は、放って置くと大変重い病に発展する場合もあり得ます。

 調子がおかしいな?

 少しでもそう思ったら、自己判断せずに病院へ行って下さい。


 大丈夫。

 そんな自己判断は、決してしないで下さい。

 私自身、精神の影響といえども、その時点で心療内科を受診していれば、長期に渡る休職や、退職してからの数年に渡る失業の日々を、過ごす事が無かったかもしれません。


 因みに、当時の内科医に言われたもう一つの言葉に、私は少しギョっとしました。


「悪い物食べて当たったんなら、全部出せば治るよ。それにね下痢の時は食べなきゃ良いんだよ。その内自然と治るよ。んで下痢が治まったら、消化の良い物をたべるんだ。胃が弱ってるからね。心配なら、大学病院で血液検査してくると良いよ。紹介状は書いてやるからさ」


 結構大胆な事を言う先生だなと思いましたが、ちゃんとその後に補足説明をしてくれました。


 食べた物に当たったのなら、出し切らないと完治しない。

 この場合は、下痢止めを飲んだら逆効果になる。


 精神的な影響で発症したなら、薬で治療が出来る。

 この場合は、下痢止めを飲むより、処方された薬を飲んだ方が完治は早い。


 他に原因があるなら、ちゃんと検査した上で、適切な処置をするべき。

 腸の異常は、大きな病気が隠れている場合がある、決して油断してはいけない。


 前述の通り、結局はちゃんと病院で、診察してもらう事が重要になります。

 また、下痢や便秘は、慢性化する事もあるそうです。

 それが、原因で大きな病気に繋がる可能性もあるそうです。

 もし、心当たりがある方は、病院に行き診察してもらいましょう。

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