第12話 危険予測と杞憂

 危険予測と聞いて、ピンと来ない人は少ないかもしれません。

 少なくとも自動車免許を持っていれば、一度は「だろう運転は駄目!」と聞いた事が有るでしょう。


 もしかしたら起こるかもしれない、そんな可能性の危険を予想して行動する、それが危険予測です。

 あらかじめ、起こりうる可能性の高い危険を予想し、その準備をする事で、いざ危険が起きた際に回避しやすくなります。


 例えば、地震等の災害対策の為に防災グッズを用意するのは、危険予測行動と言えるでしょう。

 天気予報を見て、折り畳み傘を持って出るのも、簡単な危険予測行動ですね。

 

 傘を例に取るならば、次の様な事態が想定出来ます。

 1、雨に濡れて、風邪を引いた。

 2、風邪を引いた為、会社や学校等を休んだ。

 3、欠勤となり収入が落ちた、若しくは欠席となり成績が落ちた。

 悪い結果が起こるなら、最初の原因である雨に濡れる、これを防げば良いと考えるのが、無難ではないでしょうか?

 うがい手洗いの推奨も、これに近いですね。


 自己の防衛について、簡単な例を挙げましたが、これは被害予防だけでは有りません。

 予め自分の行動の先に、何が起こり得るのか。

 それを考えれば、他者への過失トラブルも、未然に回避しやすくなるでしょう。

 先の自動車運転で「大丈夫だろう」では無く、「もしかしたら」と考え注意する事で、事故の危険性が下がります。


 似たような内容で、ビジネスシーンではリスクヘッジという言葉が有ります。

 ビジネスにおいてトラブルは付き物です。

 あらゆるトラブルを事前に想定し、対策方法を決める事で、被害を最小限に押さえます。

 ビジネスにおいては、必須スキルと言えるでしょう。


 ただ、何事に置いてもやり過ぎる事は、マイナスも引き起こします。

 日常の危険ばかりに捕らわれて、疑心暗鬼になる。

 トラブルばかりを想定し過ぎて、メリットを見失う。

 まさに、ことわざの杞憂となってしまうかもしれません。

 必要なのは、自分が楽しく生活する為、且つ他人に迷惑をかけない為に、どの様に行動すれば良いのかを考え、実行する事だと思います。


 もしかしたら、あなたの行動で迷惑を被っている人が居るかもしれません。

 行動の先に起こりうる結果を、少し考えてみては如何でしょうか。

 自分も他人も、皆幸せになれば、更にハッピーが増えると思います。

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