第11話 文章を書く、考える

 さて、九話でコミュニケーションについて、少し語りました。

 今回は、会話とは別の意思伝達手段である文章について、少し語ろうと思います。


 文章と言っても、様々な形式が存在します。

 会社勤めの方は、稟議書や報告書等を書いた経験があるでしょう。

 稟議書等を書いた事の無い方でも、ブログを掲載した経験は有るかもしれません。

 若しくは学校のレポート等でしょうか?

 短い物では、ツイッター等を含めても良いかもしれません。


 文章形態には、大きな違いが有ります。

 例えば、会社など使用する稟議書、報告書、企画書は事実を簡潔に、且つ誰もが理解し易いように記載する必要が有ります。


 単なる報告のレベルであれば、箇条書きが一番わかり易いのです。

 例えば、活動報告であれば、下述した様に書けばわかり易いですよね。


 1、10時 現地到着、打ち合わせ開始

 2、11時 訪問営業開始(訪問数5件、内商談数3件)

 3、12時 昼食休憩及びPM予定打ち合わせ

 4、13時 訪問営業再開(訪問数15件、内商談数3件、見込数1件)

 5、16時 集合及び営業所へ帰社

 6、17時 報告及び事務作業


 何の仕事してんのって感じですか?

 まぁそこはお気になさらず。

 パッと見て、何か仕事したんだなっていうのが、わかりますよね。

 実は、パッと見てわかり易いは、かなり重要なテーマなんです。


 ただ、多くの文章形態の場合、論述する事を求められます。

 そこで重要なキーとなるのが、論理的思考です。


 その一。この理由があるから、こういう結果になる。

 その二。この結果になる、何故ならこの理由の為。

 二つの考え方は、同じ事を言っているのですが、他者が捉えた場合は理解が変わる可能性が有ります。


 その一に関しては、良くある書き方です。

 提案書を例に取れば、メリット、デメリットなどを論じてから、最後に提案する方法の必要性を述べる、そんな文章の書き方です。


 対してその二は、結論を先に述べます。

 提案する方法の必要性を述べた後に、その理由を後から論じていくのです。

 最初の数行にインパクトを与えるのが、その二の書き方です。


 どう使い分ければ良いの?

 疑問に持ちますね。

 簡単です。

 読み手に合わせて書けばいい、それだけです。

 しっかり中身を吟味したいと考えている上司の方なら、がっつり書き込んだ方が、理解して貰うのが早いです。

 忙しい社長さんに見てもらうなら、要点を完結に冒頭にまとめた方が、読んでもらい易いですよね。

 この様に論理立てて記載して行く事で、理解し易い文章になるのです。


 会社の報告書などでは、個人の感情や、余計な描写は必要有りませんが、食レポなどでは、全く別ですよね。

「美味しい!」

 この一言では、いまいち何が美味しいのか理解できません。

「普通の店より濃厚!」

 これだと普通の基準は何? となります。

 何を食べただけで無く、美味しさが伝わらなければ、食レポと言えるでしょうか?

 とは言え、味や食感を事細かに描写しても、飽きてしまいます。

 この場合は、事実を簡潔にでは済みません。

 必要な描写を、必要なだけ書く。

 かなり重要な事だと思うですが、如何でしょう?


 最後に小説です。

 小説は報告書などとは違い、描写する事が重要になります。

 風景、人の感情、言葉で描写する必要が有ります。

 勿論、面白いストーリーを考える事は最重要です。

 小説には、想像力を掻き立てる面白さが有ります。

 文章だけで書かれたストーリーに入り込む楽しさは、読者である皆さんが良くご存知では無いでしょうか?


 これまで、述べた様に文章には様々な形式が有り、形式により求められるスキルも変わります。

 ただ一つ変わらない事は、考える事です。

 何を書きたいのか、何を伝えたいのか、どうやって伝えるのか、考えなくてはいけません。

 頑張って書いても伝わらなければ、勿体ないと思いませんか?


 言葉とは違う文章。

 突き詰めれば、難しい物です。

 考えて考え抜いても、答えが有る訳では有りません。

 ただ、伝える為の工夫を、欠かす事の無い様にして頂ければ幸いです。



 

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