第8話 より良く主治医と付き合うために

 人に自分の考えを伝える事、意図を理解して貰うことは、健常者でも大変です。

 精神障害になれば、より大変な事だと思います。


 ですが、ちゃんと理解して貰わなければ、自分が困る人がいます。

 就業中であれば、職場の仲間や上司等。

 私生活では、家族や友人。

 障害で社会生活が困難ならば、主治医や助けてくれる身近な人。


 障害が重く生活が困難な程、大切な理解者には自分の現状を知って貰い、助けて貰う必要が有るのです。

 健常者でも、自分の意図を伝えるのが大変なのに、精神疾患を患う人達にそれが可能でしょうか?

 身近な友人や家族にならまだしも、他人に伝えるのは非常に困難だと考えます。


 私が特に困ったのが、主治医とのコミュニケーションです。

 私は、現在の主治医と出会うまで3回ほど転院しました。

 理由は、主治医と上手くコミュニケーションが取れなかった為です。

 今の主治医とも、最初から上手くコミュニケーションが取れていた訳では有りません。


 皆さんが思う理想の主治医は、どんな人でしょう?

 悩んでいる事をちゃんと聞いてくれる人でしょうか?

 多分それは、メンタルケア分野の仕事で、精神科医や心療内科医の仕事ではありません。

 医師の仕事は、患者の状態を把握し適切な処置(薬物治療)を行う事だと思います。

 実際に現在の主治医は、抗うつ剤や睡眠薬の相談には乗ってくれますが、リハビリの仕方や生活の仕方についての相談には、明確な回答は避けてアドバイス程度の事しかしません。


 自分の悩みを理解してくれない。

 自分が何に苦しんでいるかわかってくれない。

 私は、過去に散々悩みました。

 意図した事が上手く伝えられず、結果的に抗うつ剤や睡眠薬が増え、症状が緩和するどころか返って異常行動が増えた事があります。

 これは、医師だけでなく、上手く現状を伝えられない自分に責任が有ると思っています。


 医師は、神様でも超能力者でもありません。

 何もしなくても、顔色等で全て察知してくれるわけでは有りません。


 医師は、日々多くの患者を診ています。

 対応が定型的になるのは、仕方ないのです。

 だからこそ、我々患者がちゃんと自分の状態を伝える必要が有ると思います。

 むしろ本人がちゃんと伝えなければ、医師は患者が何に苦しんでいるのかわからないのです。


 でも上手く意図が伝えられない・・・

 それならどうしたら良いんだろう?


 上手く伝えられないなら、伝えたい事をメモして、主治医の前で読み上げれば良いのです。

 困っている事は、沢山有るでしょう。

 困っている事、苦しんでいる事を、箇条書きにして、主治医に伝えれば良いのです。


 話す事、伝える事が上手くいかないなら、伝える方法を変えるだけで、上手くいくケースが有ると思います。

 主治医とのコミュニケーションに悩んでいることかたがいらっしゃったら、試してみては如何でしょう?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る