第5話 他人の立場に立ってとか、お客様目線でとか

 さて、良く聞く言葉だと思います。

「他人の立場に立って、考えよう」

「お客様目線で、サービスをしよう」


 出来ますか?

 出来ていますか?


 他人の立場に立つと言っても、他人になれる訳は無く、その人の本心等は解るはずが有りません。

 故に推し測る事しか出来ません。


 お客様目線でのサービスと言っても、実際にサービスを受けた事が無ければ、お客様が何を求めているのかを考える事は、難しいと感じます。


 結局、これ等の言葉は何を伝えたいのでしょう。


 おそらく、「独善的にならず、協調性を持つ事で、他者との関係を向上させる。その為に、己の目線で考えるだけで無く、他者の意図も推し測る事が必要」では無いでしょうか。


 これ等の言葉は、仕事だけで必要な事では有りません。

 社会生活は、独りでは成り立ちません。

 協力し合わなければ、生きていけません。


 誰しもが様々な悩みを抱えて生きています。

 自分だけではありません。

 その立場に立たないと悩みは、本当の理解は難しいでしょう。


 殊更、障害者と健常者では、立場も悩みも大きく異なります。

 それぞれの悩みを推し量る事すら、難しいのが現状だと考えます。

 故に、トラブルが起きやすいのでは、無いでしょうか?


 他者とより良い関係を築く為には、どうすれば良いのでしょう?

 自分の悩みが解ってくれない。

 なら、言ってみれば良いのでは?

 でも、それで解決するなら、苦労はしませんね。

 逆に、五月蠅いくらいに悩みをアピールされても、受け取った側がストレスを感じるでしょう。

 とても、難しいですね。


 推し量った上で、他者に親切にしてみた。

 しかし、親切の押し売りになってしまった。

 そんな経験は有りませんか?

 

 例えば、電車で席を譲る。

 とても素晴らしい行いです。

 しかし、相手によっては、恐縮してしまう場合もあるでしょう。

 これは、本当に相手の為になったのでしょうか?

 自己満足になっていませんか?


 逆に席を譲れとばかりに、アピールされると、返って席を譲りたく無くなる。

 人間ってそんなものじゃ無いですか? 


 自己主張をする事も必要です。

 主張が過ぎれば、良いコミュニケーションが築けなくなる恐れも有ります。

 配慮をする事は大切です。

 ですが、押し付けになっては、逆効果になり得ます。

 重要なのは、他者の立場を慮った上で、適切な距離間を探す事でしょう。


 少し、これ等の言葉を思いだし、日常生活を送ってみては如何でしょうか?

 もしかしたら、何か良いことが有るかも知れませんよ・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る