第2話 桐壺

君がため

繰り返したる

雪衣娘

契りももつれ

先も見えやも


《たぶんの真面目訳》

君のために

白いオウムのように

何度も(好きだと)繰り返して言っているが

約束もあやふやになり

先も見えるだろうか。いや、見えないだろう


《脚色した現代語訳(語り口調)》

あなたにもう何度も好きだと、まるで白いオウムのように繰り返しだと告げているのですが、あなたは答えてくれません。約束したのにあれはどうなったのでしょうか。もう先も見えないような感じです


《一応の解説》

比喩の「の」の省略が行われています。


雪衣娘

白いオウムのこと。

(あうむはひとのいうらんことをまねぶらん)(←オウムは人のいうようなことを真似すると聞いています。)


《一にのまえ解説》

オウムの色を白にした理由は、純粋な気持ちとちょっとプライドの高そうなところが気に入ったからです。


この歌の音のつながりは、茜のお気に入りです。


茜の和歌の作り方は3種類。

1.意味から(伝えたいこと)から考える。

2.決まっているお題から考える。

3.閃き(音重視)

これは閃きから作ったはず。


そんな今回のテーマはすれ違いの恋です。


訳では何度も好きだと伝えていることになっていますが、それとなくあなたが好きだといているのに気付いてくれない恋人への歌かもしれませんね。


どちらにしても片思いなのでしょう。


日記でもつけながら恋人のことを考えている女の子を勝手に想像している茜であったりします。


さて今回も前回に続いて文語です。振り返ってみると現実のノートに書いてある和歌は意外と口語も多かった……(投稿した今日はエイプリルフールだけど嘘じゃないよ!)


和歌の発展に大きく貢献した平仮名に感謝。そして皆様に31音の魔法がかからんことを

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