「京子と紳士」

「おつかさまです。……おや、様になってますね」

「へへ、お父さん、どう?」

「元気な京子さんのイメージにピッタリです」

 きゆうけいを終えてきたらしいじゅんが、京子を見てふわりとほほんだ。それに彼女はくるくると回って見せたり、バスケットボールのシュートをしてみたり。

はつさんも、こんな風にやんちゃだったのですかね?」

「こら」

 優しい表情でつぶやいたその言葉に、苦笑いしながらはつがツッコミを入れた。

「……お母さんみたいに、もっとピシッと決めたい」

 うらやましそうにはつを見る京子のほおふくれるのを、後ろからようすけがつつく。たんに、ギャーギャーといが始まり、すぐに出てきたはつに、ようすけと京子のほおが引っ張られる。

「痛い」

「せっかく良い気分の相手にちょっかいかけるな。新品の服をさわられるのもいやだろう」

「う。……はあい。ごめんね、京子」

「……ん。こっちこそ、ごめん」

 仲直りしたところで、じゅんを引いてうながす。

「さあ、かついいしゆひんをおむかえしましょう」

 おどろいた後、少し照れながらいそいそとすわる京子。

 おじようさまも、とようすけもまた案内された。

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