「京子とファッション」

 ようすけがニコニコ顔で、京子の服を選びにショッピングセンターを歩くそばで、不服そうな表情の京子。

「まーた女物の服だろー」

「今日は着いてからのお楽しみー」

 はあ、とため息をつくと、ようすけが立ち止まる。

 何だよ、と言いながら顔を上げると、そこはスポーツ用品店。

「『バスケとかスポーツ用の服、かついいのがしい』って言ってたから。今日はスポーツコーデにちようせん

「……マジで?」

「マジ!」

「とか言いつつピンク色はやめろよ?」

「もちろん!」

 その約束通り、女性もののスポーツウェアをどおりすると、京子はあんした。そして、青や黒を基調としたジャージが並ぶ男性もののエリアに着くと。

「イメージカラーは?」

「……黒!」

「おっけー! 上は明るくしたいから下かな? なら、あれとこれ持ってくるかな」

 ウキウキしながらドレスをはためかせて歩くようすけに引っ張られ、着々と服が決まっていく。

 首元はかげのある青から、こしけて明るい空色の上着を、京子は気に入ったようだ。

「なんかこう、夜明けっぽいでしょ」

「うん。これなら好き」

 ぐっ、とこぶしわせる二人に、満足そうな表情がかんだ。

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