本命チョコの作り方
――チョコの作り方を教えてよ?
笑顔で、あいつはそんなことを言う。逆チョコをしたいらしい。あいつが好きな人は先輩だと、とっくに私は知っていた。あいつにとって私は、都合が良い友達でしかない。
(よりによって生チョコね)
私が好きだと知っているクセに。
でも、これで最後――。
笑顔であいつの背中を押すことができたと思う。
「……なんで?」
あいつが私にチョコを差し出す。
「先輩が好きだったんじゃ――」
「本命を前に、好きな人の名前言えるわけないじゃん? まぁ、ほぼ実那が作ったようなものだけど……って、なんで泣くの?」
慌てるあいつを尻目に。ずっとガマンしていた感情が抑えられなくて。何より先に「バカ」って言葉が漏れた。
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第2回
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