宝物をバカにされたら、ね
「翼、嬉しそうだね?」
親友の締まらない表情に呆れつつ、お情けで聞く。どうせ愛しの彼がらみ。天音翼は学校のアイドル的存在だ。そんな子が幸せいっぱいに微笑むから、周囲は穏やかじゃない。
「空君が、ストラップをプレゼントしてくれたの」
そんなトコでしょうね、と頷く。当の彼は机に伏して惰眠を貪っていた。
「え? そんな安物? 天音さん、俺ならもっと良いものを――」
間に入る余裕なくバカが火に油を注いだ。
「は? 要らないから。頼んでないし」
と厳しい視線を叩きつけた。ほら、はじまった。翼が空以外には塩対応なのはいつものこと。できれば空、早く起きて。君が起きたら、翼の空気がガラリと変わるから!
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第80回Twitter300字SS参加作品
テーマ「宝」で参加しました。
連載小説、「君がいるから呼吸ができるより」
天音翼と海崎湊(名前出してないけど)
そして寝ている空君でした。
知らないって幸せなことあるし、
時分の宝物をバカにされたら、そりゃ容赦なくおこるよね、って話でした。
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