影でかまわない
反論は許さない、と言わんばかりに彼女は剣を振るった。鮮血が宙を舞う。王子を狙ったクーデター。今までも種を潰してきたが、ここまで反乱分子が大きく蠢動していたとは――近衛騎士の彼女は舌打ちした。
それだけ王子が進める改革は、旧体制の貴族には耐え難い。君のブレない決断は魅力だけど、時に自身の安全も考えて欲しい。
――それも今さら。私はあなたの影で良いと思っている。貴方が王道を歩くのなら、血の道は私が歩く。
「バカか、君は。君が影だって? 血の道を歩くだって? 歩くなら僕と一緒だ!」
王子が、私の横で剣を抜き放つ。騎士団長、宮廷魔術師まで揃って。
彼が囁く言葉が私の胸に深く突き刺さる。
――君がいない国なんか、意味もない。
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第76回Twitter300字SS
テーマ「影」
文字数、ジャスト300字でした。
実はすっかり忘れてて。昨夜必死に書いていたら、睡魔に襲われた私。
遅刻参加です!
でも今回も参加できた(いや主催主様が遅刻許してくれるので、好意に甘えているだけですが)
参加できた!
よかった!
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