第2話 支部
「「……誰?」」
同時だった。眼前にいる人物に心当たりがないことが、ユウヤを焦らせる。しかし、ユウヤの知らない人物も、こちらが目の前に立っていることをいまいち把握していないらしく、結局ふたりが同時に同じ言葉を発することになった。
方や軍所属の青年だ。そして、もう一方で奮然と立つのは10歳前後の少年だった。
◇
「第3支部、ですか……。知り合いってどんな方なんです?」
休憩を終わりにして、歩を進めるなかでマコトが訊ねる。疑問も当然だ。知らない人間は特に信頼できるかどうか不安になってくるものだ。それも同僚となれば、一歩でも選択を踏み間違えれば真雪の身も自分達の身も危険に晒されるだろう。もし、政治にでも巻き込まれれば堪ったものではない。
マコトの懸念に、ユウヤは唸る。別に、隠したいことがあるわけではない。情報ならば軍にでも転がっているであろうし、映像も残っている。だが、今、持ち合わせているわけでもないので、戦闘能力等は把握しにくいだろう。
更に、昔の映像を掘り返すということは、そこにも過去のユウヤ自身が映っていることにもなる。できれば、それは見たくはないし、見せたくもないと思っている。過去の遺物はユウヤが直視するには躊躇う代物だ。
そう思いながら、ユウヤは振り返る。
「まあ、簡単に言えば、俺が元いた部隊の隊長さ。
「いや、聞き覚えはないですね」
「じゃあ、
「……え?」
仁義という男は本当の読み方ではなく「ジンギ」という名で精通していたのだ。そちらの方が読みとしては親しまれている。
確か、紅とマコトは軍に所属する期間が入れ違いであったはずだ。だから、聞き覚えがないのも無理はない。
けれど、渾名を口にしたとき、マコトの表情が変わる。
「……えーっと? ジンギって言えば、噂で有名なあのジンギ隊ですか? 部隊ランク元2位の?」
「ああ」
驚きに満ちた表情にユウヤは苦笑する。
「俺も過去にはその部隊にいた」
「……マジですか!?」
「ああ」
最早、自慢するべきことでもないが、事実としてユウヤは仁義隊に在籍していたことがあるのだ。そして、過去にも部隊ランクで2位だった異質の存在。1位ではなく2位なのに、マコトですら知っているのはそれほどまでに変わった部隊であるということが知れ渡っていたからだ。
「見た目は頼りなさそうだけどな」
そう付け加えた視線の先には、表情を硬くしたマコトがいる。反応としては予想通りだ。まさか、能力的に見て不相応なユウヤが所属しているとは思っても見なかったのだろう。
現在の髙村隊の部隊ランクは32位だ。なかなか安定した戦績を維持してきているが、髙村隊長はそれに満足しないだろう。昔よりも現在の方が隊員のレベルも上がってきている傾向にあるため、比較は難しいだろうが、それでも仁義隊は常勝を期待されていた。
「映像は古い奴なら見ましたけど、有名部隊じゃないですか! そのときはまだ、僕は軍にいませんでしたけど、それでも知っているくらい超有名ですよ」
有名とは言うが、そこの最たるものはすべて仁義隊長に依存している部分が強い。それは戦闘スタイルはさることながら、自由奔放な性格が奇異の眼で見られていたからだろう。実際、あれは変人だ。そして、その部隊に所属する隊員も釣られるように変人扱いされても来た。取り立て、そんなこともなかったと評価しているが。
「へえ。じゃあ、先輩とか隠密能力を生かした奇襲とかで填まってたんですかね?」
テンションの上がるマコトはそんなことを言う。だが、ユウヤは対して気まずそうに視線を逸らした。
「……ん。まあ、どうだろうな」
「どうかしましたか?」
「いや、そうだな。その話は置いておいて、だ。その仁義紅って人が今は第3支部にいるってことだ。今回はその人の力を借りることになるが、最初にも言った通り名目はあくまで個人間での支援要請だ。軍そのものではない」
話を逸らしながら、本題に置き換えることに何の違和感もなくマコトは応じる。ユウヤは自分のことに関してはあまり話したがらない。けれど、それはユウヤ個人に関するもので、結びつけのできる部隊に興味を移させる。
「しかし、なら尚更、その人に情報提供するような真似をしても良いんでしょうか? 流石に、事情説明なしに執り成してくれるわけにもいかないでしょうし。寧ろ、こちらはリスクを背負っていますし、無条件で支援を認めてくれることの方が信用できないですよ?」
マコトの言い分はもっともだ。
地方勤めとは言え、相手は支部長。つまり、本部会議にも幹部クラスとして出席する人間である。下手をすれば、そのまま本部へと報告されかねないのだ。ふたりからすれば、それはリスクそのものだ。信用に値しなければ、交渉に応じる必要もない。
だが、話をしなければ始まらないのも事実だった。このまま放置していたとしても、きっとどこかで躓く。本部に身を置くふたりにとって、決断の先延ばしは現実的とは言えない。ならば、軍を除隊する選択肢も出てくるであろうが、それも避けたい。逆に、警戒されて手配でもされれば、行動制限にかかってしまう。
結果、ユウヤが最も信頼を置く役職者を頼るのが、リスクを取ったとしても現実的だ。そして、この交渉或いは賭けには、絶対に勝てる確信がユウヤにはある。
「確かに、あの人は支部長の肩書きを持っているが、あの人は交渉にきっと応じるさ。そのは信用に値する。残念ながら、証拠をあげることはなかなか難しいがな」
「……そうですか」
ユウヤが苦笑すると、マコトは腑に落ちないといった表情で、それでも納得してくれた。
「部隊って何?」
話の腰を折るように、空気を読まずに訊ねたのは真雪だった。
果たして、少しだけ静かな空間が耐えられなかったのか、単純に疑問を持ったのか定かではないが、真雪はユウヤやマコトの所属する極東連盟に関心を抱いたらしい。
真雪が首を傾げていると、マコトがすぐに対応する。
「ああ。今、僕たちの世界には人種と獣種の2種類が共存しているってことは説明したよね?」
「ええ。人種は主にエラルティアとレイジアーナってやつだっけ?」
「そう。まあ、他にも稀少種として人種がいないこともないんだけど。真雪ちゃんみたいにね。そして、獣種っていうのは、大まかに分けると
「へぇ?」
ただ名称だけ挙げられてもピンと来ないようで、真雪は首を捻る。しかし、本題はそこにないので軽くだけ流しておく。
そう言えば、真雪は『エラルティア』という自らの仇の人種に対して、そこまでの憎悪は見せなくなった。時代をまだ捉えきれていないせいでもあるのだろうが、今までの気持ちをどこに向ければ良いか迷っているのだろう。ユウヤもマコトも気にはしないが、ふたりがエラルティアの人間であることには注意を払ってくれているようだった。
また、吹っ切れることは難しいだろうが、少しずつでもこの世界にいたいという気持ちが芽生えてくれることをユウヤは願うばかりだ。悲しみを背負っても彼女の為にはならないだろうとも考えている。
「そして、この大まかな5種類の種族がこの世界に存在している訳なんだけれど、決して彼らは種族ごとに強固とした群れを作ってきたわけではないんだ。彼らは同じ心を持つ者たちとともに『国』を作り、経営しているのさ」
「それはわかる。私の時代にもそういうのがあったから。今じゃ、その形態が違うみたいだけど」
「うん。そうして作り上げた『国』なんだけど、やっぱり『国』を経営して、存続させるには、この世界はなかなか難しいところがある。それはどうしてか」
問いを投げ掛けられた真雪は、案外あっさりと答えた。
「食料問題でしょう?」
「……正解」
最近は真雪はふたりと打ち解けるようになったが、そこでユウヤとマコトは共通の認識をしていた。それは、真雪という少女が本来の意味としても少女であるということだ。
警戒心は強い方であろうことには、今までの出来事に起因してあるのがすぐにわかる。それ以外で言えば、彼女の頭が少し残念ということだ。
自分自身のことに全く頓着せず、事態の重さを客観視出来ていないのは、まだ彼女の精神年齢が成長しきっていない証拠だ。それについてとやかく言うつもりはないが、後々の判断によっては悪い方向に展開する可能性も考えるべきだろう。
ただし、彼女自身の外知識が優れている点で、やはりどこぞの名家の娘として育ったのだろうとユウヤは予測する。雪原が続くこの世界は、悪い意味では1万年も変わってはいない。それでも生活ができている点は国の努力の結晶なのだが、そういった側面と現在を結びつけられるのは、なかなか優秀なのだ。
「食料問題はこの世界が凍結してから絶対に議論される問題のひとつだ。今は軽量機能食が発展しているからそこまでではないけど、それでも生活水準を高めるためには非常にシビアな問題さ」
食料問題は要因のひとつだ。
「そして、そこから繋がることは資源問題が重なってくる。閉鎖的に枯渇してきている資源を確保するのは今の世の中、一番の問題になりうる。資源の確保は大体、国が統括する外方領域のもっと先にある地面から掘られるのが一般的だけど、それもコストが莫大にかかる。時間、費用、人、機材、それに戦力を集めなければ話にならないからね」
マコトの解説は授業を行う先生のようだった。ユウヤには出来ない芸当だ。真雪は長くなる説明に頭を悩ませながらも、最後まで耳を傾けている。
「戦力?」
「そう。さっきの話だけど、資源を集めるには様々なものが必要になってくる。その中で戦力は非常に重要になってくる。それは何故か」
「
「限定的に見れば、その通り。奴等は地下──下核領域や外方領域に住み着いているからね。そいつらを対処しなければならない、内的要因がある。けれど、より注意しなくてはならないのが外的要因──つまり他国さ」
「…………」
マコトが断言したとき、真雪に陰が落ちた。どこの世でも戦争は付き物だ。ならば、彼女の回りで起きたことは何か。聖戦と呼ばれる、人類史上に残るエラルティアと真雪たちユレイヤとの種を懸けた戦争だ。
結局、いつの時代もやっていることは同じなのだ。我が身可愛さで、平気で他者を傷付け、奪おうとする。そうしなければ、自分達が喰われるのだ。勝者がすべてを、根刮ぎ手に入れて、敗者は言葉通り何も残らない。
生き延びるために、合理的に結論付けられるそれらではあるが、醜いものであることには変わりない。宗教戦争にまで発展し、本来の目的を忘れた醜悪なものにならないだけまだましか。いや、比べる必要性もないほどに、人の悪を戦争は体現している。
そんな意味として捉えると、獣種の方が人種よりも上を行くのは必然なのかもしれない。好んで戦争をしているわけではないが、力がものを言う獣種間の諍いは、人種よりも分かりやすい。
兵器に頼らずとも支配するのが、獣種国家としての本質であり、間違いなく強者だった。
◇
「ここだ」
極東連盟本部から外れたところに、第3支部が存在する。その延長線上には人種国家上位5ヵ国のうちのひとつ、中四強国が聳える。距離はあるが、決して油断できない位置関係を保ちながら、第3支部は役目を果たしていることになる。
極東連盟本部は更にここから100キロメートル程先にある。だが、既にこの地は極東連盟領にあたり、内外の出入りには記録が残される。
ユウヤとマコトは軍人であるが故に、身元がはっきりしている。だが、真雪はそうではない。ふたりが入国する分には報告義務があれど問題はなかったが、真雪をどうするか悩みどころであった。
結果、ユウヤはひとりで入国した。簡単に言えば、ここまで来たのだ、コネは全面に使わせてもらうと。
任務中で、遭難していた立場であるため、ユウヤとしても何か事情聴取を受けると踏んでいた。メンバーも欠けているのだ。訝しがられても仕様がない。けれど、あっさりと第3支部管轄区域に入場することができた。ユウヤ自身が仁義と周知の仲であることが、思った以上に機能しているらしい。話はそちらでつけることで、丸く収まった。
行き先は第3支部本拠地ではない。仁義紅個人の家だ。安全地帯に踏み込むことができたお陰で、滲ませていた疲労感が一気に軽くなった気がした。やはり、危険地帯を彷徨くのは精神衛生上良くない。遠征を主とする部隊に同情しながら、閑散とした道なき道を進む。
第3支部は軍務の拠点として存在しているため、住まう人数は極端に少ない。定期的に本部より物資が届くため、そこまで生活に難があるわけではないが、わざわざ戦争の中心になりかねない場所で暮らすような一般人はここにはいないのだろう。ユウヤだって、配属されないのであればこんな辺境に居を構えたくはない。
ユウヤがこの地に来るのは遠い昔の話だったが、地理はなんとなく覚えていた。多少は記憶力に自信がある方なのだ。家らしき家がほとんどないからということでもある。迷うことなく、集合住宅が構える隣に、ポツンと立つ一軒家へと歩を進めた。
既に連絡は取ってある。と言っても、一方通行の通達であるので、確認されているかどうかも不安が残る。また、足がつかず、個人に宛てた連絡は無理やりに行ったため、本当に秘匿通信として伝えられているかも曖昧だった。
そうこうする間に、紅の家の玄関前へと辿り着いた。よくここまで無事に移動できたことの達成感が芽生えるも、今は面会を優先させる。気を引き締めて扉をノックしようとしたとき。
──不意に、その扉が開いた。
そこにいた人物は仁義紅ではなかった。見間違いではない。ユウヤのよく知る人物は中年のおっさんだ。どう細工しようとも、10歳前後の少年の風貌はしていない。だから、知らない人物と対面したときに思わず出た言葉がそれだった。
「……誰?」
先に名乗ったのは目の前にいる少年だった。如何にもやんちゃな性格であろう彼は、こちらを警戒することもなく、胸を張った。
「おれは
知らない人にまで名を平然と名乗るのはどうかと思ったりするのだが、事件性があれば外からやって来るものだし、そういった意味では守衛がうまくやっているお陰なのかもしれない。
とはいえ、ここは本当に住む人間が少ないのだ。大体の人はお互いを知る者たちである。にもかかわらず、知らない人への警戒心が希薄なのはどうかとも思うのだ。
「……姫野ユウヤだ」
けれど、自分が不審者であるということでもないし、先に名乗られたので、こちらからも自己紹介をしておく。相手は随分年下であるのだが、ユウヤは一応間者の線も追って警戒はしておく。見た限りでは頭の悪そうな感じもあって、9割9分問題ないと踏んではいるが、残りの1分を見誤るのが戦争である。慎重に越したことはないが、少年リュウトは疑問符を浮かべるように首を傾げているのは自然に見えた。
「ここに仁義紅さんって人はいないのか?」
あまり他人に情報を開示したくはないが、ここの住人であるならばそれなりの所作で話を進めた方が良いとユウヤは判断する。ここにいる人も大半は同僚なのではあるが、下手に礼を失し、支部から警戒、最悪追い出されることになることは避けたい。
ただ、少年はあくまでも能天気だった。支部が建つ方へ指を差す。
「ジジイなら彼処にいるよ。おっさんはジジイの知り合い?」
「ああ。今日、ここで会うことになっている」
「ふうん」
紅は決して「ジジイ」と呼ばれる年齢ではないし、ユウヤもおっさんと呼ばれる筋合いはないが、話を逸らすのは最善ではないのでそのまま流した。
紅も下手に話を広めることはしていないらしい。恐らく共に暮らしているであろう少年が何も知らないのだから、機密性はある程度守られているとユウヤは確信する。
そもそも、紅は自分にとって元隊長だ。だから、彼の性格は知っているし、情報漏洩しようとは思っていない。支部長権限を使って、ふたりのみの情報共有にならない可能性もあるが、そこの部分は相手の出方、スタンスにより臨機応変に対処するつもりだ。
「で、何の用?」
リュウトの純粋な興味がユウヤへと向けられる。知らない人と会話する機会の少ない彼にとって、意外にも印象は好感触だ。そっけなさそうな口調にはなっているが、ちらちらと向けてくる視線が隠せていない。
「……」
「ひょっとして、敵!?」
どう答えたらいいかわからず、ユウヤは口を噤む。彼は何か少しでも情報を落とせば、あっさりと言いふらすタイプと捉えられた。
その為、沈黙は今更になってリュウトなる少年を警戒させた。しかし、子どもは印象から実態を感覚的に捉えやすいというが、それでも、リュウトは操作しやすいのではとユウヤは別のことを思う。
「……いや、違う」
「嘘つきは大体、否定から入るって知ってるんだぞ!」
豹変したようにリュウトが後退りする。しかし、背後の扉により退路がいつの間にか絶たれていることにリュウトはひとりで絶句している。
何やら、面白い解釈を少年が勝手にしていた。ユウヤは訂正せず、思わず苦笑する。
「待て待て、身分証明もある」
「問答無用!」
「──っ!」
結論から言えば、この少年をユウヤは舐めていた。子どもを子どものカテゴリとしてしか捉えていなかった為に、事が起きたことへの対処が遅れたのだ。
少年は懐に装備を隠していたらしく、追い込まれたことを悟ると、逆に武器を露に飛び込んでくる。
「
持ち出したのは、分子の解離によって起こるプラズマ現象を用いた剣だった。目の前で、ブレードが目映く光り、電子線が後追いで霧散する。光学剣とは仕様は異なる。氷獣のような敵を相手にするには光学剣の方が有用だが、電磁シールドを無理矢理突破できる電子解離性ブレードは対人戦に特化している。
但し、汎用性が高いのは光学剣の為、そちらを装備する者の方が多い。光学剣でも対人戦で有用性を示しているのだ。
ユウヤの目が一気に鋭くなる。だが、油断していた為に、あっさりと間合いに入ってこられてしまった。対処ができない。
半分以上は言動による自業自得であるが、まさか
動きが鈍いまま、思考だけが加速する。
リュウトの持つ剣は、一見して模造剣だった。軍が好んで使うものとは形状が違う。それでも、気を失わせるには充分の威力を持っている。持たせるには危険である他ない。
酷い奇襲もあったものだ。
そう思い、ユウヤは何もしなかった。できなかったという言い訳もあるが、ここで敵対の姿勢を取るのは後々厄介だ。甘んじて彼の勇気を讃えようと、そうとすら考えている。
けれど、
「えっ!?」
不意に、彼の持つブレードの効果がキャンセルされた。少年の行動によるものではない。リュウト自身、驚きが漏れている。
そして、更に、複数の電磁シールドがふたりの間に展開された。少年がそれに突撃していくように、身体はユウヤへと急接近していく。
効果を失った模造ブレードの軌道に、ユウヤが入っている。しかし、ブレードは多少、電磁シールドに止められていたらしく、切先が軌道をゆく速度が見るからに落ちた。
──それでも、ユウヤは回避できなかったわけだが。
「ぐえっ」
見事に脇腹にヒットし、呆気なくユウヤは転がされた。
うまくやれば、避けられたのだろう。しかし、事象の起こりが結果的に、ユウヤの行動を制限した。
転がり、停止する。受け身はとったので痛むのは脇腹のみだが、思考が先駆けて蹲ったまま停止していた。
「全く、何をやっているのかねぇ」
頭の上で、気の抜けた声が聞こえてくる。どうやら、結論に至る前に解答が出たようだ。
ゆっくりと身体を起こして、目の前にいる壮年の男を捉えた。
「お久しぶりです、
====
余談ですが、大学を卒業して今春、社会人になりました。ただでさえ遅い更新が、更に遅くなると思います。
すみません。頑張ります。
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