2-6 傷跡
死を覚悟したその時だった。
突然身体が浮いた。いや、浮いたというよりかは持ち上げられた、がただしいのだろう。
誰かが私のことを助けてくれたのか。もしくはもう死んでしまって意識が飛んだのか。
そんなことを考えていると身体から枝はずれ、地面に座るように置かれた。枝が刺さったところからは血が流れ、染みるような痛みが襲う。
痛みの方が勝り、助けてくれた相手を見ることが出来なかった。
気づくとそこには誰も居なく、その助けてくれたの相手もいなくなっていた
周りを見渡しても誰もいない。
足元を見るとそこには青いものが置いてあった。
手に取って匂いを嗅いでみると、なにかはわからないが食べれそうな雰囲気だった。いや、今は食べれる食べれないを気にしていては空腹で倒れてしまう。
なりふり構わずその青いものにかぶりついた。
――美味しい、
食べたことのない味だったが、それはとても美味しくてとても温かった。
そこにあった青いものを全部食べてしまった。空腹感は無くなり気づけば傷も跡形も無く消えていた。痛みも消えて本当にさっきまで痛みに悶えていたとは思えないほどに。
――一体誰が…お礼もできてないのに
その後も辺りを探したが、誰もいる気配がなかった。
その夜、住処になりそうなところを探していると岩肌に穴を見つけた。
そこは暗くてとても硬いものが沢山あり寝るには向かないなと思った。
奥まで進むと行き止まりにぶつかってしまった。しかしよく見ると真ん中の方に開けられそうな板を見つけ私はそれを開けて中に入った。そこはとても広く、そしてとても寝るのに最適なものが沢山あった。木で出来た四角いものの中には先程食べた青いものに似たものが沢山入っていた。
ここなら食べるのも寝るのも困らないとここで住むことを決めた。
そこにあったやわらかいもの上で寝るのはとても気持ちよかった。
次の日、バリーという者に呼ばれた。そして、この島のこと、生活のこと、掟のことを教えられた。
そして自分ことを。
そのあとはなんだかんだいろんなことをして寝て起きて食べて遊んでを繰り返してた。
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