2-4 相棒

「えーコホン…イチャイチャした会話は置いといて…」


 咳き込むまねをしながらニホンオオカミは話を戻す。


「この島はなんなのか、ていう質問には答えられたよね。それじゃあ次はニホンオオカミ、私についてだよね。実のところ自分でもよくわかりません!」


 あまりにも自然にニホンオオカミがそう言うのでかばんは一瞬拍子抜けしてしまった。


「さっきも言ったけど私動物だった頃のこと全然覚えてないんだよねー。誰かとパートナーになって一緒だったっていう気がするんだけど…」

『「ニホンオオカミ」ガマダ地球ニイタトキ、「ヒト」ト一緒狩リヲシテイタリ、他ノ別ノ「オオカミ」ト協力シテ生活シテイタリシテイタミタイナンダ』


 ラッキービーストはいつも通りの解説をする。


「あれ!?今かばんがしゃべってた?」

「あ、いや、今のは僕じゃなくてラッキーさんが」


 かばんは腕につけているラッキービーストをニホンオオカミに見せた。


「へぇー!声が似てたからてっきりかばんが言ってたのかと思ったよ!」

「そういえば前にもラッキーさんと僕の声が似てるって言われたことがありますね」

「うんうん!ほんとうにかばんが喋ってたのかと思ったもん」


 ニホンオオカミは興味津々な顔でラッキービーストをのぞき込む。


「それにしてもそのラッキーっての詳しいんだね!それにしかもニホンオオカミはヒトと一緒にって言ってたし!やっぱり私とかばんはベストパートナーなんだよ!」


 目をキラキラさせかばんに抱きつくニホンオオカミ。かばんはそんなニホンオオカミを見て、少し疑問に思った。先程からニホンオオカミはかばんとパートナーになりたいと強く思っているように思えた。

 もしかしたらニホンオオカミはフレンズになってから1人でここに居て、寂しさを感じていたのではないか。

 表向きには寂しくないと装ってるが、本当は寂しかったのではないか。

 自分が短い間でもパートナーになると言った時もとてもよろこんでいた。そんな風に思いかばんはある質問をしようと決めた。


「ニホンオオカミさん。ニホンオオカミさんがフレンズさんになった時のことを教えてくれませんか?」

「え、この姿になったときのこと?」

「はい、ニホンオオカミさんがどんな風にここで過ごしてきたか気になっちゃって」

「フレンズになってからの記憶はバッチリある!それなら答えられるよ」


 ラッキービーストを観察するために四つん這いになってた体勢を崩し、座り直したニホンオオカミは。

 自分がフレンズ化した時を思い出していった。

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